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災害時の医療提供体制維持へ 見直そう診療所の防災対策

9月1日の「防災の日」に合わせて各地で大地震などを想定した訓練が行われました。さらにコロナ禍ということもあり、感染症対策に考慮した訓練が展開されていました。

近年、地震や水害など全国各地で自然災害が頻発、激甚化しています。災害時に人々の命や健康を守るためにも、フェーズに合わせた医療提供が大切になってきます。

いつどこで被害が発生するか分からない昨今、診療所の防災対策を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

災害によって異なる医療ニーズ

厚生労働省がまとめた資料によりますと、甚大な津波の被害が発生した東日本大震災では、溺死が最も多い死因で、慢性疾患がある被災者に対する医療支援ニーズが高い状態が長期にわたり続いたとされています。一方で、阪神・淡路大震災では建物の倒壊による圧死の割合が最も多く、負傷者が死者の約7倍にのぼり、けが人に対する超急性期医療のニーズが高かったということです。災害によって医療のニーズの特徴が異なるのです。

 詳しくはこちらから 

医療面での対応について(厚生労働省HPより)

診療所の災害対策も視野に入れる時代になってきました

みなさんの診療所がある地域にはどのような災害リスクがありますか?

診療所がある場所はどのような危険性があるのかを把握し、施設内にいる患者さんや職員を守るためにも、地震を想定した際には、施設の耐震化や医療機器の転倒防止、窓ガラス飛散や塀の倒壊防止といった施設の安全対策が重要です。

そして医薬品や医療用具、水と食糧なども必要になりますね。職員が役割分担し、いざという時にどう行動するのか、事前のシミュレーションが大切です。

災害時に患者や職員を守り事業継続する備え

大規模な災害時には、被災した地域の医療機関の職員を守る行動や医療活動を継続したいという想いをお持ちの院長もいらっしゃると思います。 業務継続するためにも具体的な行動を明確にしておくBCP(事業継続計画)の作成の重要性が指摘されています。

BCPは時系列に沿って医療を継続するために必要な人材や資源を準備するために作成されるもので、医療機関でも整備が進められています。

BCPの作成にあたっては、想定される災害と被害を明確にし、診療所の被害の程度によってどのような対応が必要かを考えます。物品や連絡手段の確保などの見直しも大切です。

計画をもとに、実際に行動に移せるよう訓練や研修を行い、定期的に見直し改善していくことで、業務継続体制が向上していきます。

厚生労働省から公表されている災害対策マニュアルについての文書ではBCPチェックリストも掲載されていますのでご参考にしてください。

災害対策マニュアルについて(厚生労働省HPより)

なお、消防庁のHPではBCPについて解説されています。医療機関でのBCPの作成においても参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

BCPについて(消防庁HPより) 

申請するとメリットも!「事業継続力強化計画」

BCPをもっと手軽にそして融資や補助金などの申請時に優位になると言われている「事業継続力強化計画」というものがあります。

災害発生後の急性期、慢性期などと時間経過とともに、求められるニーズが変化していきます。有事の際、まずどうするか?ということをまとめる良いきっかけになると思います。

診療所機能の損失をできる限り少なくし、早急に回復、継続して医療を提供できる日常に戻す手順にもなります。

いつどこで、どのような災害が起こるか分からないからこそ、様々なシミュレーションをした上での備えが必要ですね。そして、対策を講じていることを情報発信することも、診療所の存在価値をさらにアップすることに繋がるのではないでしょうか。

中小企業庁から出ている事業継続力強化計画の申請マニュアルやお近くの中小企業機構・地域本部などにお問合せ下さい。

事業継続力計画について(中小企業庁HPより)

なお、事業継続力強化計画についての記事も配信しています。ぜひご覧ください。

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著者:IGYOULAB編集部

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