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開業をゴールにしないために気を付けること3選

経営戦略系や組織戦略系の開業セミナーでは「開業をゴールにするな」という話をされる院長や専門家が多くいらっしゃいます。私もその一人です。

何だか素敵な格言なのですが、具体的にはどういうリスクがあって、どういう場面で気を付けたらよいのか?と質問をいただき、今回は気を付けるべきポイント3選をお届けします。

1.なぜ買っているか分からなくなったら注意

新規開業のほとんどはゼロからイチを生み出すために「何かを買う」というミーティングが一番多いかと思います。
土地、建物、機材、材料、備品、消耗品・・・挙げたらきりがありません。

中盤になると具体的に決めていく時期になるので決断を迫られることが増えてきます。
その時に「自分なりの判断基準」が無い場合は、「ほかの先生はどう?」「みんな何買ってる?」という感じになってきます。

こうなると、取引先の担当者も「今までの先生が買ったものをお勧めする」という提案が増えてきます。
結果的に「やりたい医療を叶えるための準備」ではなく「開業に間に合わせるための準備」という視点になっているかと思います。

2.開業後の戦略をヒアリングしない営業マンに気を付ける

開業準備の中で「どんな診療をしていくか」という議論の無いままに「何を買うか」を話し合う人たちに出会うことがあります。また、とにかく予定した開業時期に合わせて間に合わせることを最重要視されている人にも出会います。

開業という通過点は大切な節目ではありますが、そこに意識が集中しすぎている人も稀にいると思います。

「周りの先生はみなさん買っています」
「これはかなりお得になっています」
「何が何でも間に合わせましょう」

これらの言葉の先に「そうすれば、叶えたい医療体制や開業医人生が叶えられるかもしれません」と、付け加えられるのであれば安心ですが、そうではなく、理由を尋ねても、同じ言葉を繰り返す場合は方法がゴールになっており、目的がゴールになっていない可能性があります。

3.開業日が近くなってきた時こそ冷静に本質を

私も新店をオープンさせるときや新規事業をやる時に、予定通りのグランドオープンをしたくなります。ワクワクしますし、周囲にも伝えている手前や費用が発生することなどが気になります。

しかし、その焦りによって大きな損失をしたこともたくさんあります。
完成度が低いままお客様を迎えたり、未完成のまま世に出したりなど。

今の時代はある程度「見切り発車」が大切だと思います。
しかし、「こだわる」ことで冷静な判断ができていないことは避けたいところです。

大切なことは開業後の内覧会や診療日から始まる積み重ねの1日1日だったりします。
今、自分が期日にこだわる理由は「叶えたい医療経営に確実につながっているか?」と考えると冷静な判断ができるかもしれません。

開業は送りたい人生を叶えるための方法のひとつ

なぜ、開業するのか?逆に言えば、安定した職業である勤務医をなぜ辞めるリスクを取ってまでやりたいのか?というところにあると思います。

勤務医を辞めてまで叶えたい自分の人生とは何か?せっかくの大きな自由だからこそ、やりたい医療が本当に叶うのだろうか?という視点はとても大切だと思います。

従業員の生活やトラブルの責任などすべてを背負う経営者は、時には大きな喜びがあり、時には大きな不安が訪れるかと思います。その時、心から自分の責任が招いていることだからと、前向きに舵を切れることで、自身の送りたい人生が送れるのかと思います。開業をGOALにしない。ぜひ今一度、振り返ってみてはいかがでしょうか?

著者:大谷 武史

トゥモロー&コンサルティング株式会社 代表取締役

人生の豊かさを向上することで職場を良くし事業を成長させる、事業戦略と組織戦略をかけあわせたコンサルティングを大切にし創業12年。2021年3月まで大学の非常勤講師としてゼミを持ち組織×事業を研究。

もともと日本一周を車で行ったりと地域社会に興味があり、現在は2拠点生活を目標にしている。