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歯科医師の働き方を考える|多様なキャリア形成

インビザライン矯正医として、地元・奈良県を拠点に東京・横浜・名古屋・⼤阪のクリニックで診療を行いながら、月の半分は診療外業務、オンライン教育などリモートワークで仕事をしています。

コロナ禍で、会社自体終身雇用が難しくなっていることも影響しているのか、業種や雇用形態によって不安定さを感じ、「自分らしい働き方」や様々なキャリア形成に興味をもつ方も増えているように感じます。

今回は、私自身さまざまな働き方を経験してきた中で、キャリアステージを4つに分けてお話ししていきます。


ご自身の年齢や働き方に重ねて、勤務日数や時間、仕事内容や働く場所の多様化に触れ、これからの人生を考える参考になれば幸いです。

フルタイム勤務 週5日8時間以上 休日は勉強

2.5~4日勤務8時間 + 年20万以内の副収入

週1~2.5日勤務8時間+個人事業主(フリーランス)

④個人事業主、その先に法人化

①フルタイム勤務 週5日✖8時間以上 休日は勉強

在学中に父を亡くしたこともあり、大学卒業後すぐ医療法人スワン会に就職することになりました。もちろん週5勤務で、休日はセミナーへの参加や勉強会のスライドづくりで忙しくも充実した毎日でした。

ここで多くの先生から学び、一般診療はもちろん、矯正診療、老人介護施設への訪問診療、藤田保健衛生大学口腔外科研修、さらにTV、雑誌といった広報などさまざまな経験を得て、一から歯科医師としての土台を築きました。

中でも、私の⻭科医としての⼈⽣を⼤きく変えたのが、「インビザラインとの出会い」です。

ワイヤー矯正が主流だったこのスワン会に、インビザラインが導⼊されたのが10年以上前のこと。まだ日本ではメジャーではないこのマウスピース矯正を法人内に根付かせ、軌道に乗せることが私にとっての大きな責務となりました。

国内での勉強会やセミナーはもちろん、ヨーロッパ、アジア、アメリカで開催される学会、さらに、ドイツのトップドクター、シュープ先生のクリニックへ治療を兼ねて研修に行かせてもらい、当時では例にないキャリアを積ませていただきました。


その技術を⽇本に戻りブラッシュアップした形で取り⼊れ、組織全体になじむよう、シンプルな診療システムにすることに心血を注ぎました。ドクターとスタッフが⽀え合い、努⼒を積み重ねる、それがしっかり噛み合うと必ず成果が⽣まれます。

 フルタイム勤務では、学べる環境に身を置くことができ、自分が思ってもいない仕事に携わり、いろんな人と関わることで自分の可能性を広げ成長させてくれる。勉強会やセミナー、クリニック内でスキルを身につけることは何にも代えがたい経験となります。

 しかし、組織というものは大きくなればなるほど動きが遅いことに加え、秩序を守らなければならず、考え方の相違が少なからず出てくるのも事実。そこで新たな働き方を模索するためシフトチェンジすることにしました。


②週2.5~4日勤務✖8時間 + 年20万以内の副収入

この期間は私にとっては短かったのですが、フルタイムから非常勤の勤務に徐々に移行していきました。


単発で講演依頼を受けたり、セミナーを主催したり、診療以外に自分がやってみたいことにトライし、さらに1カ月、有休を使ってセブ島へ語学留学し、良い時間を過ごしました。

そうして、新たな方向性の兆しが見え始め、勤務日を調整しながら個人事業主届けを出そうと決めたのです。


③週1~2.5日勤務✖8時間+個人事業主(フリーランス)

個人事業主としてキャリアを積んでいくには、自分自身に価値を見出し、今までの経験やスキルを信じて、「自分らしく働く」ということを妥協しないマインドが大切になります。事業収入の波があるのが現実ですが、真剣に取り組めばそのまま結果として現れるのでやりがいは十分です。

個人事業主として実績を積み、ヨコハマデンタルオフィスではウェブ施策や診療体制改善に挑戦しながら、横浜地区を代表するインビザラインクリニックとして認識されるまでになりました。

また、⽇本でトップのインビザライン専⾨クリニックの⻘⼭アール矯正⻭科での勤務を経て、⽇々研鑽を積んでいます。


④個人事業主、その先に法人化

個人事業主となって5年、毎年業績を伸ばせていることに感謝です。診療日数が限られていることもあり、増加する患者さんを受け入れるために、来院が必要な処置を絞り、できるだけオンラインや遠隔診療も活用しながら、診療を効率化していました。

診療日以外は、クリニック外で行えるクリンチェック作業や遠隔コミュニケーション、事前の診療内容説明など、自然とリモートワークが可能な業務を集約していました。

そうすると仕事の中身も、働く場所も、時間もスタイルも、自由に色々とチャレンジできるという発想になります。


これは、インビザライン矯正を主軸に行っているからこそのワークスタイルなのかもしれません。

歯科医師が診療室にいるという概念は私にとって窮屈なものなのです。

診療業務と並行して、セミナーや記事寄稿、個別相談などの仕事も行っていましたが、もっとできることがないかと考え整理し、新たな方面に広げていくために法人化することを決めました。

私はクリニックを持っておらず、一人で診療しているため、医療法人にするのは得策ではありません。また、医療行為以外で利益を追求することは認められていないため診療業務は「個人事業主」として継続しています。



これまで⼤規模なクリニックに⻑年勤務したこと、一般歯科、矯正専⾨クリニックなど様々な診療スタイルを経験してきましたが、これが正解で、これが全てではありません。私自身、まだまだ人生をどう歩むか探し続けています。

どんな働き方も自分にとって納得できるかどうかが鍵です。

仕事内容を変えたいなら、まず今の環境でできることにトライしてみる、条件面を変えたいのなら交渉してみる、今の環境でもできることがあるはずです。

言葉に出して言ってみる、行動を起こしてみて周囲の反応を見てみる。意外と自分の望みが叶えられるかもしれません。そして一生同じ場所で働かなければならないことはありません。環境を変えることも自分を強くすることにつながります。

 自分らしい新たな道を見つけてみませんか?

著者:上田 桂子

インビザライン専門矯正歯科医

愛知学院大学歯学部卒業後、医療法人スワン会で11年間の勤務。その間に、ドイツ・ケルンにあるインビザラインドクターの第一人者シュープ医師のクリニックへ3年間にわたり何度も訪問しながらインビザラインを学ぶ。2016年にフリーランスとして独立し、クリニックなどでの勤務を経て、2021年にクリニックが抱える課題解決に向けたサポートなどを行う株式会社k-Crowd(奈良県天理市)を設立。現在は矯正診療の傍ら、セミナーや講演なども行う。

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