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良い風土の職場の理由を探る 

2021年12月に行われた愛知県春日井市にある坂井耳鼻咽喉科の職員のみなさんと、同県東郷町にある製造業の工場の従業員のみなさんとの交流会の現地取材のリポートを3回にわけてお伝えしています。

今回は、交流会の中で行われたディスカッションの内容を共有します。「これをしているから私たちの職場はよい風土だ!逆に、これをしていないからよい風土だ!」ということを挙げるとすると、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?

様々な観点から職場を見てみると、新たな発見があるかもしれません。

気づきが生まれる他業種間の意見交換

交流会では参加者が3つのグループに分かれて、よい組織を作るための互いの取り組みについて、見学を通して感じたことなどについて意見を交わした。

(グループに分かれて意見交換)

オーダーメイドで製品を手掛けている河合電器製作所。イベントなども社員が企画することもあるという。坂井耳鼻咽喉科の職員のみなさんから、「新しいアイデアはどのように生み出されるのか」という質問が出た。

河合電器製作所の社員は、「勉強会やセミナー、他業種間交流などを積極的に行い、学んできたことを社内で共有するなどして、常にアンテナを張ることを大切にしている」と話していた。『一見、直接仕事に関わらないような様々な経験も、どう巡って、仕事に繋がってくるか分からないので、学びの場、経験の場を多く用意している』という会社の狙いを理解している社員たちは、経験値が上がり、仕事においてもプラスに働いていると実感していると言っていた。

どんな経験・体験も人を成長させ、間接的に仕事の場でも活かされていくのだろう。

こんな取り組みも紹介してくれた。現在はコロナ禍で休止しているが、毎月映画を鑑賞し、参加者同士で感想を共有し合う映画鑑賞会だ。自分の想いを話すというアウトプットの練習になるだけでなく、相手がどう考えているかという気づきの場にもなっているという。

「いろいろな考え方を知ることで、視野が広がった。物の見方は人それぞれだと気づかされ、多くのものを受け入れられるようになった」と笑顔で話す社員もいた。

良い風土の秘訣とは?「これをしているから、これをしないから良い」

ディスカッションの中では、「良い風土の秘訣とは~これをしているから良い風土だ、これをしないから良い風土だ~」というテーマでも意見を交わした。

坂井耳鼻咽喉科の職員は、これをしているから良いということに「ありがとうカード」を挙げた。その場でも「ありがとう」と声かけをする風土になり、ほのぼのとした職場の雰囲気になっているという。さらに分からないことは何でも聞けて、みんなで教え合うので、一人で悩むことはなく、年下の子でも意見が言いやすい雰囲気になっている。

一方で、これをしないから良いことについては

「悪口は言わない。決め事を固くしすぎない」ということを挙げていた。一定のルールは大事だが、ルールに縛られすぎないことで柔軟に物事をとらえ、切り替えも速くできるようになったという。

河合電器製作所では、従業員が社長のことを「佐久さん」と呼んでいる。壁を作らないよう役職ではなく「さん」づけで呼び合っているという。さらに従業員の自立を促すため入社して5年は必ず一人暮らしをお願いしているという。

一方で、河合電器製作所が「これはやっていないから良い」ということについて、「拡大すること、増やすこと」だという意見が出た。

「トップの意向で、現在の従業員数200人規模でできることをやる」方針なのだ。事業を拡大すると、人を増やすことになるが、これ以上、拠点も工場も増やさないという社長の決断だ。働き方を従業員の家族構成や生活などに合わせるなど、最低限のルール以外は排除し、働く仲間一人一人を尊重し大切にしているのだ。

気づきを行動に  他業種間交流のその先

今回の交流を終えた河合電器製作所の佐久真一社長や坂井耳鼻咽喉科の坂井邦充院長、そして参加者のみなさんに、今回の交流会の感想を伺った。

坂井耳鼻咽喉科の職員のみなさんからは

「モノづくりの現場だが、想像以上にキレイだった」
「社員がみんな楽しそうでイキイキと働いているのが印象的だった」
「事業所はキレイでオシャレという印象だった。愛される社長の人柄も印象的だった」
「分け隔てなく接することができるいい職場だと思った」

といった感想が聞かれた。

そして、感想を聞いた職員が口を揃えておっしゃったことがあった。それが、佐久社長自らが行動していたということだった。

参加者全員で昼食をとった食堂でのこと、社長自ら使った机を拭く姿があったという。河合電器製作所の『自分が使う前よりも少しキレイにする』という会社の方針を社長自ら実践していたのだ。

会社の方針やルールを上司が指示するのではなく、姿で示していた様子に感動したと職員のみなさんは受け止めていた。

こうした姿を目の当たりにし、企業の風土を体感した坂井耳鼻咽喉科の職員は「今後、診療所で汚れを見つけたときに、誰かがやるだろうではなく自分でやろうという意識を持って実践していきたい」と、行動に移していきたいと話していた。

さらに、坂井耳鼻咽喉科で、旅行やイベントの企画を担当しているという職員は「今後、自分たちの企画や考えをプレゼンしてみようと思った」とそれぞれの立場での気づきがあったようだ。

(意見を交わす佐久社長)

河合電器製作所の佐久社長は「女性が多い職場でのコミュニケーションに関して学びがあった。坂井耳鼻咽喉科は、職員にとって居場所があるという安心感があるのでは。そして職種間での壁みたいなものが無いように感じた。組織づくりにおいてヒントをもらった」と話した。

(有意義な交流会と振り返る坂井院長)

坂井耳鼻咽喉科の坂井院長は「製造業で3S(整理・整頓・清掃)をしっかりされているのもあるが、自分が来たときよりもキレイにするということは私たちも実践できること。新たな刺激をもらえる機会になった」と交流会を振り返った。

業種は違えど、組織や社会をよりよくしたいと考えている診療所と企業の交流会。両者ともにトップの姿勢が、よい波及効果を生み出していることが伺えました。

自分たちの取り組みをアウトプットすることで、自分たちの組織の強みを再認識し、さらにレベルアップしていくヒントを得られる機会になるのかもしれません。

なお、交流会後、参加した坂井耳鼻咽喉科の職員のみなさんから、河合電器製作所に感想文が送られたという。

・感想と学び
・当院でも取り入れたいこと 

について書かれているものだ。

すぐにフィードバックすることや、アウトプットすることが習慣化されているのも、坂井耳鼻咽喉科の強みでもあるのだろう。

交流会をやりっぱなしではなく、会によって得られた気づきを、それぞれの組織に持ち帰って実践することで、相乗効果をもたらしていく。業種に関わらず、人や組織との新たな出会いは、組織の成長に繋がる機会になるのではないでしょうか。

坂井耳鼻咽喉科のHPはこちらから

河合電器製作所のHPはこちらから

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著者:IGYOULAB編集部(イギョウラボ)

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