開業医のための医療経営マガジン

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私が診療所の一般職員から起業した理由

医療法人 FUKUJINに診療補助として入職し10年、マネージャーとしては約5年目になります。クリニックのスタッフの一人だった私が、起業するに至った経緯を踏まえながら、大きな可能性やチャンスがあることをお伝えできればと思います。

自分の役割を考え直す機会を与えてくれた職場


徐々に仕事にも慣れ、後輩ができた頃、強い責任感とコミュニケーション能力をかわれ、入職3年目でリーダーに任命されました。とは言っても、当時の私が持っていた責任感は「みんなが言えないから私が代表して言う」という、いわば労働組合の代表のようなもので、院長とスタッフとの調整役とはほど遠いリーダーでした。また感情のコントロールができず、院長と衝突することも少なくありませんでした。

私が変わることができたのは、院長や信頼できる先輩が、礼儀、利他の心、感謝の気持ちなど、人として当たり前のことに気づかせてくださったおかげです。注意されることが少ない立場だったからこそ、言われたときは納得できず、落ち込みましたが、その都度冷静に考え、反省を繰り返し、仕事を通して成長する、そんな日々でした。

院長から、「今までのスタッフの中で、一番怒っているし、注意している」と言われたことがあります。立場を考えずに、目先のことに囚われ、思ったことを言葉で発したときが、特に注意を受けていて、その度に、自分の役割、在り方を考える機会をいただいていたのだと、いま感じています。

徐々にリーダーとしての役割が分かってきた頃、初めて分院ができ、さらに多くのスタッフを束ねることになりました。クリニックのリーダーを育成するマネージャーに就き、さらに責任ある立場になりました。

しかし、マネージャーといえどもリーダーとの違いがよく分からず、「自分がやった方が速い」と、結局自分で何でもしてしまい、次々と分院ができる中で業務に追われる日々を過ごしていました。

自分がやっていることが正しいのか分からないまま、採用、スタッフとの面談、ミーティングなど、前例がないものをこなす状況でした。

起業のきっかけとなった院長からのミッション

そんな私が起業するきっかけとなったのは、院長の勧めで「7つの習慣」(成功者の共通点をまとめたもの)を学び、スタッフに伝えるという役割を担ったことでした。

分院が増える中、法人の方向性を揃えるのに、7つの習慣の考えを取り入れ、浸透させることで、しっかりと根をはり、土台をつくりたいという院長の想いから、まずは私が学び、体現することで、職場にプラスの影響を与えるという重要なミッションを与えてくださいました。

スタッフが増えるにつれて、いまの仕事のやり方、私の在り方は本当に正しいのかと考えることが多かった時期で、「マネージャーとしてスタッフの成長を促し、そして自分も成長していく」という目標に近づける、必要、必然、ベストなタイミングでした。

その後、半年かけて、7つの習慣ファシリテーターの認定資格をとりました。そのプロセスの中で、自分のあるべき姿、自分の役割が明確になり、新たな目標もできました。

法人の土台作りの第1歩として、まずは本院のリーダースタッフに向けて伝え、一緒に学ぶ時間を作りました。人に伝える難しさを感じる一方、学んだことを実践し、変わろうとするスタッフの姿をみて、やりがいを感じ、自身も成長意欲がわいていきました。はじめは院長から与えられたミッションでしたが、徐々に私のミッションへと変わっていきました。

スタッフに過去の失敗談を交え、7つの習慣を学んだことで変化した、ものの見方や考え方を伝えると、真剣に耳を傾けてくれました。徐々にリーダースタッフから7つの習慣の用語や考え方が聞かれるようになると、スタッフミーティングの話し合いもスムーズになっていきました。

その頃、現役のクリニックスタッフとして、同じような悩みを抱えている人たちにも伝えられるものがあるのではと考えるようになっていきました。

「外部でも活躍できるスタッフを育成し、独立させる」というビジョンを持った先生の後押しもあり、「法人内に留まらず、他のクリニックでも7つの習慣の考えを用いたスタッフの育成、チームの向上に貢献する」という新たな目標ができ、挑戦するため起業を決めました。

いちスタッフの立場からマネージャーを経て、起業することができたのは、院長をはじめ、尊敬できる先輩、そしてスタッフの成長と幸せを心から願う職場に恵まれたからだと思っています。

広がる可能性と貢献の仕方

現在は、分院スタッフにも学びの時間を設け、法人全体で少しずつ根を張ることが出来つつあります。法人外の活動はまだ始めたばかりですが、先日話を聞いてくださった院長から、「木村さんが言うから伝わるものがある」という嬉しいお言葉をいただきました。今後もスタッフの気持ちに寄り添い、ともに成長していける活動を続けていこうと心に決めた瞬間でした。

起業後は様々な方との出会いや、さらなる目標ができ、新鮮な毎日を過ごさせていただいています。また責任やプレッシャーを感じる連続でもありますが、クリニックのスタッフでも様々な可能性があるということ、貢献の仕方があるんだと、多くのスタッフに伝えていければと思っています。

次回は、木村さんが立ち上げた医療専門コンサルティング会社「ヴェルデ」の事業内容や、事業への思いについてお話しを伺います。


医療法人 FUKUJINは、愛知県東海市、知多市、愛西市、豊田市に耳鼻咽喉科、皮膚科を運営している医療法人です。
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著者:木村 みど理

医療法人FUKUJIN  マネージャー


「7つの習慣・実践会」認定ファシリテーター取得