“バーチャル病院”の運用目指す 離島でオンライン診療の実証実験進む
医療が無い故郷のことが気になるが、そこでは開業できないという先生方も多くいらっしゃるので、今回の過疎地への医療提供についての情報を共有させていただきます。
複数の離島の診療所がオンラインで繋がり連携して診察を行うという実証実験が三重県鳥羽市で進められています。離島の診療所には、鳥羽市本土から医師が船で通勤していますが、天候による欠航などによって、医師が離島に行けない場合などでも、島民の診察が可能になっています。
離島が抱える課題
島民が安心して暮らしていく上で欠かせない安定した医療サービスの提供、さらに、人口減少にともなう厳しい診療所運営や医師不足といった課題を抱えている離島。効率的な医師の配置やICTの活用など最適な診療所運営が求められています。
オンライングループ診療が可能に
この実証実験では、鳥羽市内の4つの離島の診療所と本土の3つの診療所の計7診療所にクラウド型電子カルテと遠隔診療支援システムを導入。患者情報を一括管理し共有、オンライングループ診療が行える環境を整備しました。ビデオ通話機能を利用することで、患者さんとの会話も可能で、システムに電子聴診器や血圧計、心電計などを接続して測定することで、患者さんのバイタル情報をリアルタイムに確認することができます。
離島に医師が不在時でも医療提供を
看護師が常駐する離島で、医師が不在時に救急疾患が発生した場合にも、リモート診療によって、検査や処方の指示ができ、医療提供の質を高めることにも繋がります。さらに診療所に行けない患者さんの見守り診療や、専門外の疾患、臨時・研修医などへの診察のアドバイスといった有効性の広がりも期待されています。
なお、この実証実験は、離島地域が抱える課題解決のため、ICTやドローンなどの新技術の活用を図る「スマートアイランド」の実現を目指す国土交通省の実証調査に位置付けられています。
高齢者が半数を占める限界集落に医療提供をと考えられる先生方のご参考になればと思います。
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