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流暢でなくても院長が職員にプレゼンをする大きな効果

患者数が主な経営課題だった15年前から、今は職員問題が経営課題の大半を占めているように思います。
職員問題を掘り下げると、多くは院長が職員に向かって想いや考えを話していないことが発端になっていることもあります。

職員問題は「曖昧さ」から生まれる

例えば、態度の大きい職員が職場を左右したり、一部の職員の都合の良いように現場が回っていたりすることがあります。こうしたことは「人間関係」の問題ではなく、ルールや権限が曖昧であったり、ここでは何が求められていて正しいのか?が曖昧だったりすることが火種になっていることが多くあります。

職員はエスパーではない。まず完成形を伝えてみる。

院長が思い描く職場や仕事の雰囲気などがあると思います。ところがそれとは違う行動があると「考えれば分かるだろう!」と腹を立てたくもなります。
しかし、私も同じ経験を懲りずに何度もしていますが、私の頭の中は誰もが「知らない」のであり、それを伝えることから始めるしかありません。また伝えたところで10%も伝わるかどうかも分かりません。
こんな時、効果的な方法はプラモデルをつくる時と同じです。「完成形」を一度見せるというのが伝わりやすくなるコツです。

具体的な診療風景や患者さんのイメージ
職員同士の関係性や仕事の仕方のイメージ
2年後くらいに叶えたいと思っていること
など

『簡単なスライドを使ってプレゼンする』

職員の前で話さないのは「話すのが苦手だから」

実は多くの先生から「伝えることの重要性」については共感して頂く事が多いです。同時に「理論的にわかる。しかし私はみんなの前で話すのが苦手だ」との声も多く頂きます。
人は苦手なものから遠ざかると思いますし、率先して何度もやりたいと思わないものです。
なぜ、下手だから嫌なのかは人それぞれだと思いますが、大切なことは「院長としてやったほうが良い事リスト」に入れて頂くことだと思います。

『とりあえず「やることリスト」に入れておく』

流暢では無くても良いので声に出す習慣を

経営者のほとんどがリーダーシップを持っているかと言うとそうではありません。
特に院長の場合は本業は経営者の前に医療者。
そこで多くの院長にお伝えしていることは月並みな言葉ですが「最初は誰も上手ではありません。上手というのは後から付いてくるものです」と。
続けて・・・「ただ、続けないと上手くなりません。なので続けてください」とお伝えします。

私のクライアント様で本当に口下手の方が何人もいらっしゃいます。しかしお付き合いさせて頂いているうちに本当に上手になります。何度も何度も職員に伝える気持ちが何よりも医療経営を職場を良くしているように思います。

『5分のプレゼンでも良いので続けてみる』

内容よりも院長の背中を職員は見ている

やったけど反応がいまいちだった。と言われる先生が多くいますが、多くの場合が反応は薄いと思います。
職員もリアクションに困るからだと思います。
ただ、反応がいまいちだからと言って「効果が無い」わけではありません。

多くの先生方が「反応は相変わらず薄いけど3年続けているからかな、最近は職員が自然と動いてくれる」という声は本当に多いと感じています。

共通して先生方が「プレゼンの内容よりも、伝えようとしている院長の姿勢を見られているように思う」と教えて頂きます。実際に医療経営だけではなく、一般業種の上司も店長も、私が経験した学校の講師という立場も似ているかと思います。

『やり続ける姿勢に意味がある』

ぜひ、ご参考にしてください。

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著者:大谷 武史

トゥモロー&コンサルティング株式会社 代表取締役


人生の豊かさを向上することで職場を良くし事業を成長させる、事業戦略と組織戦略をかけあわせたコンサルティングを大切にし創業12年。2021年3月まで大学の非常勤講師としてゼミを持ち組織×事業を研究。

もともと日本一周を車で行ったりと地域社会に興味があり、現在は2拠点生活を目標にしている。

https://tac119.com/

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