職場で批判を受けたとき|適切に対処するには?
院内で、上司や同僚、または患者さんに批判されて、落ち込んだ経験はないでしょうか?院内での批判を柔軟に受け止め対処できる職員は、成長のチャンスが倍になります。今回は、批判に対するアサーティブな対処法の身につけ方をご紹介します。ぜひ職員の方にも共有いただき、よい職場づくりにおいて、ご活用いただければと思います。
耳が痛い!と感じる「批判」
批判には、注意やアドバイス、冗談、指摘、叱責など様々な形がありますが、共通しているのは、「自分のことに対して相手から言われる耳の痛い言葉」だということです。
自分の考え、行動、言い方、態度、感情、体型、性格、価値観、学歴、性別などに対して相手から言われて、耳が痛いなと感じるとき、それらは「批判の言葉」だと言えます。
例えば、職場での批判の言葉には、このようなものがあります。
「あなたの仕事の仕方、大雑把で適当だよね」
「あなたは仕事中、ミスが多すぎる」
「あなたって、いつも要領悪いね」
仕事中に批判を受けて、平気でいられる人はそうそういません。批判を受けると、私たちは不快な気持ちになったり、拒絶されたと思って落ち込んだり、反対に相手を攻撃したりします。批判を受けるということは、できれば見ないでおきたかったところを、突然目の前に突きつけられるようなものだからです。
批判を柔軟に受け止め対処できれば成長のチャンスが倍に
批判は、誰にとっても受け入れ難いものですが、「批判=自分の存在の全否定」ではないということを頭に入れておくと、必要以上にショックを受けずに済みます。また、的を射た批判を前向きに受け止めることは、職場で成長するチャンスになります。
批判されたとき、攻撃的に相手に対応したり、相手を無視したり、避けたり、あるいは全部取り込んで自分を責めて落ち込んでいては、問題の解決にはなりません。仕事上で、相手があなたに伝えようとしたメッセージを聴き、問題解決にもっていくにはどうすればいいでしょうか?
【院内でよくある批判のシーン】
書類のチェックが厳しい上司から「こんな書類じゃ、分かるわけないでしょ!」と自分が作成した書類を突き返されてしまいました。
<やってしまいがちなNG対応(例)>
▼怒りの対応 :「この書類のどこがいけないんですか!?」と反撃する
▼ひるみの対応:自分が悪いのだと自分を責め、「やっぱり自分はダメなんだ」と落ち込む
▼仕返しの対応:上司に腹を立てるが、その場では何も言わず、違う機会に仕返ししようと引きずる
「相手も・自分も大切にする」アサーティブな批判への対処法
受けた批判に対して、まずは、相手の気持ちを受け止め、それから内容を判断することが大切です。それでは具体的に、どのように対処すればよいか、具体的なポイントに沿ってご紹介します。
自分:「そうですか、分かりづらかったですか。申し訳ありません。
自分ではこれでよいと思っていたので、どの部分が分かりづらいか、
正直よく分かっておりません。
申し訳ありませんが、どの点が問題なのか教えていただけないでしょうか?」
上司:「このまとめの部分、・・・(説明)・・・でしょ」
自分:「この部分ですね、よく分かりました。すぐに修正します。ありがとうございました」
上司:「ええ、頼むわよ」
批判へのアサーティブな対処法は、下記図のようなポイントがあり、3段階で構成されています。
この流れを覚えておくことで、よりアサーティブな対応が出来るようになります。
また、批判の内容は、Aの領域とBの領域に分けられます。あなたの受けた批判は、A、Bどちらの領域に該当するでしょうか。第2段階で批判の内容を判断する際には、この図を参考にすると考えがよりスッキリとまとまり、判断しやすくなります。
いかがでしたでしょうか。職場での批判に対する、アサーティブな対処法を身につけることで、今までと比べて物事の捉え方が変化し、ストレスの軽減に繋がります。
職場でのメンタルヘルス向上にお役立てください。
次回は「怒りの適切な扱い方」について家庭での事例をもとにお話しします。次回の配信は、1月12日(水)の予定です。