時代はモノ消費からコト消費へ 診療所経営にも通じる顧客体験価値CXという手法とは何か?|集患ラボ
学問の視点で医療経営を考える集患ラボ。今回は、カスタマーエクスペリエンス=顧客体験価値をご紹介します。これは、単にモノの価値ではなく、商品を選択・購入し使用するという一連の流れの中で、その商品やサービスに対する満足度を高めるというものです。満足した購入体験があるとリピートや、よい口コミに繋がるのです。
医療経営に置き換えてみると、受診という体験価値を提供しているという考え方もできるのではないでしょうか。医療は患者さんが抱えている困り事を先生に話し、改善や安心というフィードバックを受けることで満足度に繋がるのです。
ポイントごとに、どのような体験を提供するのか
さて、顧客体験価値は、顧客が体験するポイントごとに、どのような体験を提供していくのかを考えます。
例えば、カメラの購入の例で考えてみます。カメラ購入前という顧客との接点では、どのような体験を与えられるでしょうか。購入前に顧客は商品の情報が載っているWEBサイトを見ます。ここに商品の特徴などについて分かりやすく情報を掲載することで、「買いたい」という期待が膨らむ体験を提供することができるでしょう。
次は、購入時です。販売店に行った際、丁寧で分かりやすい接客を受けると、買う意欲が増しますが、マニュアル通りで不愛想な接客だと、買う意欲が低下することもありますよね。
丁寧な接客を受けることで、使用方法なども理解でき、気持ちよく使用できます。一方で、満足な説明もなく、よく分からないまま買ったら、使い方も分からず、満足度が下がってしまいます。
実際に使用して好印象であれば、当然、満足度が上がるわけですが、故障などのトラブルが発生することも考えられます。その際に「電話応対がよかった」「はやく修理をしてくれた」「プラスアルファのアドバイスをくれた」など、カスタマーセンターの対応によって、満足度が左右されます。
万が一トラブルがあっても安心してクリアできたという体験があれば、「ここで買ってよかった」「この商品はよかった」という感情を持ち、「また同じ商品やメーカーを選ぼう」とリピートに繋がり、よい口コミが広がるのです。
医療経営に置き換えてみると・・・
ではこうした考え方を医療経営でどのように生かせるのでしょうか。
(1)購入前は来院前
自分が抱えている困り事を解消できる、精神的な安心と症状の緩和という精神的・身体的な解決ができるのかということを患者さんは考え、診療所のホームページなどで情報を集め、診療所を選択するわけですが、ここでは診察内容、診察時間、アクセスなどの情報が分かりやすいかということがポイントになります。
(2)購入時から使用時は2通り
先生方の科目によって、次の2通りに分かれると考えます。患者さんとのお付き合いが単発的なものなのか、継続的なものなのか、先生の科目や提供する医療の形はどちらかを考えていただくことが重要だと思います。
①来院時から診察時
リピーターがあまり来ない科目の場合、患者さんの体験をより良くするために、受付の時、どのような雰囲気で迎え入れるのか、診察時、先生がどのように対応するのかがポイントになります。
②初診時から通院時
歯科医院や整形外科など定期的に来院してもらう科目の場合、大切なのは、初診時に「長く通院したい」と思える仕掛けがあるかです。初診時にこそ、どういう関わり合いが重要なのかを考えていただければと思います。
(3)故障時は不満・問題・クレーム
通院する中でトラブルが起きることもあるかもしれません。「待ち時間が長い」、「説明が分かりづらい」といった不満や問題を事前に拾い上げられるかが重要だと考えています。
そこで通院して3回目くらいの時に一度患者さんにアンケートをとることをオススメしています。不満や問題、クレームがあれば、丁寧に心を込めて対応していくことで、リピートやよい口コミに繋がるのではないかと思います。
今回は、カスタマーエクスペリエンスの考え方を医療経営にどう置き換えて考えていくかについてご紹介させていただきました。ご参考にしてください。
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