助成金や無料相談サービスも 高齢者も活躍できる職場づくりを
人口減少が進み、様々な業種で人手不足が叫ばれています。そんな中でシニア世代の人材活用が進んでいます。
高齢者の就業機会を確保するため、現在は、65歳までの雇用機会の確保が義務付けられ、70歳までの就業機会の確保が事業主の努力義務となっています。
働きたいと思う高齢者の人たちだけでなく、周りの職員もイキイキと働ける、そんな職場づくりを考えてみませんか?
少子高齢化で働き手が減少 高齢者雇用の現状
少子高齢化が進み、総人口は2008年をピークに、そして、15~64歳の生産年齢人口は1995年をピークに減少し続けていて、2050年には5,275万人と2021年から、さらに約30%減少すると見込まれています。
生産年齢人口の減少により、労働力の不足や経済規模の縮小などが懸念されていて、高齢者も働き続けられる社会づくりが進められています。
2021年の高齢者の就業者数は、2004年以降、18年連続で増加し続けていて、909万人と過去最多となりました。また15歳以上の就業者数に占める高齢就業者の割合は、13.5%と比較可能な1968年以降、過去最高です。
高齢就業者を産業別にみてみると、「卸売業、小売業」が最も多く、次いで「農業、林業」、「サービス業(他に分類されないもの)」、そして「医療、福祉」となっています。
高齢就業者のうち役員を除く雇用者を雇用形態別にみてみると、非正規の職員・従業員が約76%で、そのうちパート・アルバイトが約52%と最も高くなっています。
なお正規の職員・従業員は2011年から10年間で50万人増加し、非正規の職員・従業員は225万人増加しています。
非正規の職員・従業員に、現在の雇用形態についた主な理由は、男女ともに最も多かったのが、「自分の都合のよい時間に働きたいから」で男性は30%を超え、女性は38%となっています。
また「専門的な技能等をいかせるから」「家計の補助・学費等を得たいから」という理由も挙げられています。
高年齢者雇用に関する届出について
事業主は、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況をハローワークに報告、必要事項を記載し7月18日までに提出する必要があります。なお、電子申請も可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。
なお、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みで、無期労働契約に転換できる「無期転換申込権」が発生します。(発生しない特例もあります。)
助成金など活用できる支援策
働きたいと思う人が働き続けられるように。職場の環境整備も大切になってきます。
高齢者雇用を進めるため、助成金も活用できます。詳しくは厚生労働省のHPをご確認ください。
①特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース) |厚生労働省
②65歳超雇用推進助成金
高齢者の雇用継続へ 無料相談サービスも
70歳雇用推進プランナー・高年齢者雇用アドバイザーへの無料相談
人事・労務管理制度、賃金、退職金制度、職場の改善、就業規則の改正など、 専門的・技術的な相談・助言が必要な場合に、社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家、70歳雇用推進プランナー・高年齢者雇用アドバイザーに無料で相談することができます。
企画立案サービス(有料)
高齢者の雇用環境改善のために具体的な解決策を提案してくれるサービスもあります。
人事処遇制度や職場改善など具体的な改善策を、70歳雇用推進プランナー・高年齢者雇用アドバイザーが作成し提案するものです。
このサービスは有料ですが、経費の2分の1を高齢・障害・求職者雇用支援機構が負担してくれます。
この他にも就業意識向上研修や、企業診断システムを使って高齢者を活用するための課題を分析し、解決策をアドバイスするサービスもありますので、詳しくはこちらをご覧ください。
70歳雇用推進プランナー等による相談・援助(高齢・障害・求職者雇用支援機構HPより)
知識や経験が豊富な高齢者のみなさんの雇用により、若手職員も刺激を受け、相乗効果を生み出すことができるかもしれません。
どんな人でも気持ちよく働ける職場づくりを考えてみませんか?
高齢者雇用の支援など詳細は厚生労働省のHPをご覧ください。