「最初」と「最後」の印象で口コミに差が出る
今回の動画では、行動経済学という学問の中から「初頭効果」と言われるマーケティング用語に着目しています。簡単にいうと、“人は最初と最後の事柄が、特に印象に残る”ということです。
例えば、レストランでどんなにおいしい料理が出ても、最初に入った時のお店の印象が悪いと、それがお店全体の印象にまで影響を与えることはありませんか?
行動経済学では、そのような効果を「初頭効果」といいます。
目次
受付の対応で患者満足度は大きく変わる
レストランを診療所に置き換えてみると、最初に大きな印象を与える場所は「受付」や「駐車場」です。「受付」や「駐車場」は、どちらも診療所で診察を受ける以前の話ですが、患者さんの診療所選びにおいて大きな影響を与えると思います。
受付の人の対応がひどかった…。
この駐車場は入りにくい、止めにくい…。
こうした状況だと、どんなに院長先生が親身な診察を心掛けていても、診療所選びのマイナス要因になります。
しっかり顔を見てお声がけする、診察券を受け取ったときにリアクションをするのを忘れないだけでも印象は変わると思います。
せっかく来てくださった患者さんの気分が良くなるような受付対応ができるといいですね。
院長先生の診察の第一印象、最後の印象を良くする
新規で診療所に来られた患者さんは、あらゆる場面の最初の印象が強く残ります。
“ここの院長先生はどんな人なのだろう?”と気にして、診察を受けに来ている人が多いと思います。
そんなときに、院長先生がPCに向かって患者さんの目を見ないなどの行動をとってしまうと、「迎え入れられていない」と感じてしまう患者さんもいます。先生への第一印象が悪いと、また選んでもらえる可能性が低くなります。
そのため、新しい患者さんへの第一印象を良くするだけでも、大きく患者満足度が上がると思います。
また、診察最後の先生からのアイコンタクトや声掛けも大事な要素となります。例えば、歯の治療が終わった際に目をみて「これで大丈夫だね」「何かあったら来てね」という一声だけでも患者さんは安心感を抱きます。
逆に、カルテの打ち込みに集中していて、看護師さんが「では待合所で待っていてくださいね」とフォローする場面があることはありませんか?そのときの患者さんは、「あれ、これって診察終わった?」と困惑していたのかもしれません。もしそのような場面があれば、あまり良い印象を持たれていない可能性があります。
ホームページの最初を見やすく使いやすくして患者満足度を上げる
HPを見るとき基本的に人の目線は、左上~右上~左下と「Zを」描くように動きます。
そのためHPのトップ画面の最初に目に入るところは、左上~右上に書かれている情報です。この場所に特に患者さんが求めている情報を掲載していることが大事になります。
PCのブラウザで閲覧した場合や、スマートフォンで閲覧した場合に、左上と特に目が止まる右上に書かれている情報に意識を向けることが重要だと思います。
HPの閲覧情報をGoogleアナリティクスで確認すると、訪問者は診療時間を調べていることが多いのが分かります。診療時間は1クリック挟んでもいいので上部に掲載するほうが良いかもしれません。
ホームページの最後の予約システムにこだわる
HPの内容は充実していますが、HPの最後に離脱されてしまう理由の一つに予約があります。いざ予約をしようと思ったときに、WEB予約ボタンを押すと出てくる画面の見た目や操作性が悪いことがあります。
患者満足度が上がるような、使いやすいUI(ユーザーインターフェース/操作画面)であれば予約画面で離脱してしまう人を最小限にできます。
また、WEB予約がない場合や予約不要の診療所の場合、次のことに注意を払うと良いと思います。
・電話(WEB予約がない場合、すぐ予約できる電話番号があるか、つながりやすい電話があるか)
・診療時間(予約不要の場合、何時から何時までの間に行けばいいのか)
・場所(どこへ行けばいいのか、1クリックでGoogleマップへ飛ぶ)
まとめ
今回は、行動経済学の「初頭効果」を利用した患者満足度向上につながるポイントを挙げてみました。
①受付
②院長先生の第一印象・最後のアイコンタクト
③HPの最初に目に入る部分・院内へ導く予約システム
学問的に考えたときの一例ではありますが、お役立ていただければと思います。
詳しい内容は、以下の動画をご確認ください。