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他人とやりとりしたLINEの内容を第三者と共有するのは違法ですか?|診療所のトラブルQ&A #14

診療所でのトラブルに関する質問に、本山総合法律事務所代表の宇佐美芳樹弁護士にお答えいただく連載。
今回は「スタッフと自分がやりとりしたLINEをスクリーンショットして幹部と共有したところ、スタッフから違法ですよと指摘されました。他人とやり取りしたLINEの内容をスクリーンショットにして第三者と共有する行為は違法なのでしょうか?」というご質問にお答えいただきます。

問題となる2つのポイントとは?

X(旧Twitter)でも他人とのLINE上のやり取りをアップしている人をよく見かけると思いますが、このような行為は以下の2点で問題となります。

(1)プライバシーの侵害
まず一つは、プライバシー侵害の問題があります。

プライバシー侵害とは、公開された内容が
①私生活上の事実または事実らしく受け取られる恐れがある事柄で
②一般的な感受性を基準にして公開して欲しくない内容であり
③一般の人々にまだ知られていない事柄である
という3つの要件を満たした場合に成立します。

今回のLINEの内容が、例えば業務連絡のような事務的なやり取りであればプライバシー侵害の問題にはなりませんが、プライベートな内容の相談事のようなものであれば、上の①から③までの要件は満たすと思いますのでプライバシー侵害となります。

プライバシー侵害が成立した場合、あなたは不法行為に基づく損害賠償義務を負うことになります。但し、ここでいう損害はほとんどのケースでは、プライバシーを公表されたことにより負った精神的苦痛に対する慰謝料になりますが、日本の裁判所が認定する慰謝料が高額になることはほとんどないため、内容にもよりますが20~30万円程度で済むと思われます。

(2)名誉棄損
次に問題になるのが名誉棄損です。

名誉棄損は
①不特定多数または多数の人に伝わる可能性のある状態で
②事実を摘示し
③他人の
④社会的評価を低下させた場合に成立します。

これは刑法230条に規定されている犯罪です。したがって、成立した場合には上記のプライバシー侵害とは比較にならない大きな問題となります。

今回の場合、スクリーンショットにして共有したとのことですので、不特定多数の人に拡散される可能性があり①の要件を満たします。そして、LINEのやり取りを共有しているので、そのようなやり取りをしたという事実を摘示したことになり②の要件も満たします。

もちろん③の要件も満たしているため、④の要件を充たすと名誉棄損が成立します。

そのため、例えばLINEの内容がスタッフの社会的評価を低下させるような内容であった場合には、名誉棄損が成立し、あなたは刑事責任を負うことになります。

まとめ

現代はデジタル社会ですので安易に人とのやり取りを他者に見せたり、Xで人のことを書いたりする人がいますが、上記のようにその内容次第ではプライバシー侵害や、場合によっては名誉棄損という犯罪になってしまう可能性がありますので、くれぐれも注意するようにしてください。

著者:宇佐美 芳樹

本山総合法律事務所代表弁護士。愛知県弁護士会所属。

労務管理、労働トラブルの解決、債権回収、クレーマー対応、契約書のリーガルチェックなどの企業法務を中心に、離婚、相続、交通事故まで広く民事商事全般を取り扱う。クライアントの声に耳を傾け、粘り強く最良の解決方法を探っていくことを信条とする。

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