むし歯が少ない新潟県の取り組みに学ぶ|地域や教育機関との連携も
文部科学省の調査によりますと、新潟県の12歳(中学1年生)のむし歯の数は0.3本と全国最少となっています。どんな背景があるのでしょうか?
各機関が連携し地域全体で取り組む むし歯予防
新潟県では昭和56年から、子どもたちのむし歯半減などを目標とした県民運動「むし歯半減10か年運動」を始めました。全国に先駆けて、行政や歯科医師会、大学、教育委員会などが連携して学校でフッ化物洗口を行うなど、長年にわたり、子どもたちのむし歯予防対策を推進してきました。
また、歯と口腔の健康づくりの推進による健康水準の向上を目的に平成20年には、「新潟県歯科保健推進条例」を全国で初めて施行。
条例にともない、県民が口の健康に関して正しい知識を持ち、日々の歯や口腔管理、定期的な歯科健診を習慣としてもらうことを目的に、毎年11月を「にいがた健口文化推進月間」と定め、各地域で様々なPRやイベントなどの取り組みが行われています。
子どもに対する予防対策の推進
子どもたちのむし歯予防対策としてどのようなことが行われているのでしょうか。
①学校などにおけるフッ化物洗口
昭和45年に県内の小学校で始まり市町村事業として各地に普及した。市町村が行うフッ化物洗口の経費の一部を昭和56年から県が補助。
②学校と歯科診療所との連携によるむし歯予防を全県で実施
むし歯になりやすい子どもに対して、予防のために学校が医療機関への受診を呼びかけ
③学校などにおける給食後の歯磨きや歯科保健指導
こうした新潟県の取り組みを見ると、子どものうちから予防対策、定期健診をどう定着させていくかがポイントになってくることが伺えます。
一方で、新潟県では12歳のむし歯の本数は全国最少ですが、高齢期に多くの歯が失われていて、子どもの頃の良い習慣が成人期以降に継続されていないことを課題として挙げています。
診療所が学校など教育機関や行政などと連携していくこと、そして各年代に合わせたアプローチの大切さも伺えます。地域の中で各機関が互いの強みを活かせるよう、地域の中に積極的に出ていくことも医療経営の一つのポイントになってくるのかもしれません。
詳しくは新潟県HPをご覧ください。