長寿・長野県の調査から探る|健康長寿推進へ 診療所の役割とは
長野県は平成27年の調査結果で、女性の平均寿命が全国1位、男性も2位とトップレベル。さらに平成28年以降、4年連続で男女ともに「健康寿命」全国1位を誇ります。
長寿の要因はどんなところにあるのでしょうか。長野県ではその理由を探る調査結果を公表しています。
少子高齢化が進む中、この調査から診療所の役割、そして医療経営のヒントになればと思い共有させていただきます。
長野県 “長寿” の秘訣は?
調査では、健康長寿に関連が示唆される要因として、人口動態や保健(日常の健康行動など)、食生活、医療、社会活動などの分野で81の指標のデータを収集し、統計分析を行っています。
さらに、資料やインタビューなどによる分析も行い、長寿の要因を探っています。
まず統計分析において示唆された要因についてみていきます。
▼積極的な社会活動参加を通じた生きがいのある暮らし
(就業率の高さや、社会活動、ボランティアへの参加率が高いことなど)
▼健康への意識の高さや健康づくり活動の成果
(習慣的喫煙者の割合が低く、メタボリックシンドロームに該当する人や肥満者の割合が低く、野菜の摂取量が多いなど)
▼高い公衆衛生水準や周産期医療の充実
(保健師の数が多いことや周産期死亡率が低いなど)
そして、文献や資料、インタビューから示唆されることとして次のことが挙げられています。
▼住民に寄り添った活発な地域医療活動
(往診などの在宅医療や予防活動の指導など)
▼行政と健康ボランティアが連携した健康づくり活動
(関係職種やボランティアが一体となった健康づくり活動、健診をはじめとする生活習慣病予防活動など)
調査から読み解く医療の役割
調査の中では長野県における医療活動の特色も紹介されています。
医師や歯科医師などの専門職種による地域医療保健活動が活発に行われていたことも長寿の要因とされています。
長野県の医療活動について、「治療」を主とする医療だけでなく、生活の場における「予防」に踏み込んで活動を行ったことに大きな特徴があったということです。こうした活動によって県民が生活習慣の改善や健診・検診などを自らの問題としてとらえていました。
また古くからの中山間地域への出張診療や在宅医療、予防活動の指導といった住民に寄り添った医療活動が健康長寿の要因の一つであると示唆されると明記されています。
医療関係者の地道な取り組みが、県民一人ひとりの健康を守ることに繋がってきたのですね。
調査結果についての詳細はこちらをご覧ください。※長野県のHPのトップ画面から「健康長寿プロジェクト・研究事業」と検索してご覧ください。
長野県公式ホームページ Nagano Prefectural Government
早期発見・早期治療を支援する医療経営を目指して
診療所は健康長寿につながる一番の場所のように思います。多くの患者さんの苦痛を少しでも軽減するため、早期発見・早期治療を実現することや、大きな病気になる前に健康管理を行うなど、地域に根付く診療所としての役割があるのではないでしょうか。
診療所に頻繁に足を運び、自分の身体の状態を知ることが「予防」に繋がると考えます。
少子高齢化が進む中で、予防の価値は今後さらに高まるでしょう。
患者さんとの近い距離感にある診療所の役割、診療所をどう活用してもらうか広く発信していく医療啓発についても積極的に行ってみてはいかがでしょうか?
なお、弊社では、国連が定めたSDGs(Sustainable Development Goals)「持続可能な開発目標」ならぬ、SMGs(Sustainable Medical Goals)「持続可能な医療経営目標」を掲げ、先生方の医療経営を応援しています。
下記の動画で詳しくお話しています。ぜひご覧ください。
【医療経営チャンネルIGYOUTV】 持続可能な医療経営を目指すSMGs
目標1|早期発見・早期治療を支援する|
目標2|健康長寿に対応する診療所を支援する