申請書類の簡素化や訓練の拡充など見直しも|職員の人材育成を支援する「人材開発支援助成金」
職員の人材育成は、職員の満足度や組織の成長において欠かせない要素となってきました。人材育成にさらに力を入れていきたい、今後取り組んでいきたいという方も多いのではないでしょうか。
研修の費用や訓練期間中の賃金の一部などを助成する「人材開発支援助成金」。2024年4月から、活用しやすいよう制度が見直されています。
人材開発支援助成金とは?
人材開発支援助成金は、事業主が労働者に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練などを計画に基づき実施した場合に、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。
次の6つのコースが設けられています。
①人材育成支援コース
②教育訓練休暇等付与コース
③人への投資促進コース
④事業展開等リスキリング支援コース
⑤建設労働者認定訓練コース
⑥建設労働者技能実習コース
①~④各コースの助成額と助成率は以下の通りです。
人材育成支援コース
職務に関連した知識や技能を習得させるための訓練を計画に基づいて実施した場合に、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成するものです。
以下の訓練が対象です。
①人材育成訓練:職務に関連した知識や技能を習得させるための10時間以上の訓練
② 認定実習併用職業訓練:厚生労働大臣認定の実習併用職業訓練
③ 有期実習型訓練:有期契約労働者の正規雇用転換のための訓練
①はOFF-JT、②と③はOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練
詳しくはこちらをご覧ください。
【変更点】
なお、このコースの計画届の提出時に必要だった「対象労働者に関する確認書」が廃止され、「職業訓練実施計画届」の記載事項に統合されたほか、定期的なキャリアコンサルティングの実施について、事業内職業能力開発計画などで定めていることを確認するための書類の提出が不要になるといった申請書類の簡素化が行われています。
教育訓練休暇等付与コース
有給教育訓練制度などを導入し労働者が休暇を取得して訓練を受けた場合に助成されます。
(1)教育訓練休暇制度
3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用した事業主を助成(制度導入に対し30万円支給)
(2) 長期教育訓練休暇制度
30日以上の長期教育訓練休暇の取得が可能な制度を導入し、実際に適用した事業主を助成
(制度導入に対し20万円支給、有給休暇に対して、1人につき1時間あたり960円・最大1600時間分)
(3)教育訓練短時間勤務等制度
30回以上の所定労働時間の短縮と所定外労働時間の免除が可能な制度を導入し、実際に1回以上適用した事業主に助成(制度導入に対して20万円を支給)
詳しくはこちらをご覧ください。
人への投資促進コース
デジタル人材や高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)などを行った場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。人への投資促進コースは、2026度までの期間限定の助成です。
【変更点】
日単位の休暇取得に加えて時間単位の休暇取得も助成対象とするなど、長期教育訓練休暇制度の拡充のほか、自発的職業能力開発訓練の訓練時間数の要件の緩和、高度デジタル人材訓練の拡充も行われています。
コースの詳細はこちらから
事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
このコースは、2026年度までの期間限定で創設されています。
詳しくはこちらから
こちらのコースも添付書類の簡素化などコース共通の見直しが図られています。
上記4つのコースについては、電子申請でも受け付けています。
助成金を受給するには、労働局への訓練実施計画届などの提出、そして訓練を実施した後、支給の申請を行い、審査の上、支給・不支給が決定されます。
助成金を活用できる事業主や支給対象訓練など さまざまな要件のほか、助成限度額などが設けられていますので、詳しくは各コースの資料をご覧ください。