医療者でも簡単に動画をつくれるのか?時間、労力、スキルについて質問してみました
誰もがスマートフォンを持ち生活の一部になった現代。診療所でも動画の活用が注目を浴びています。スマホではじめるYouTubeスクール主宰している かとうさやかさんに、クリニックや歯科医院でできる動画の活用について伺っています。
これまでの記事では、動画制作のメリットについてお話していただきました。
経営で大切なことは「持続可能である」ということかもしれません。
今回は、どうしたら職員のみなさんと一緒にやっていくことができるのかについて考えていきたいと思います。一問一答形式でお答えいただきました。
全くの素人が始めた場合、どれくらいの時間や労力が必要ですか?
まず時間については、慣れとともに早くなります。動画編集は全くやったことがない時は非常に工程が多く難しいイメージがあると思いますが、一度、コツを掴めば想像しているより難易度は高くありません。
この「難易度が高くない」と言うのは「スマートフォンでやるからこそ」という意味合いが大きいです。パソコンの動画編集ソフトのAdobeプレミアプロやFinal Cut Pro、クリエイター専用のソフトはやはり覚えるのが非常に難しいですし、知識がないと最初の操作すらできません。1本の動画をカットし、テロップを入れるだけでも、高度なスキルを要求されます。
これに対してスマートフォンで編集を行う場合は、そもそもスマートフォンの操作自体に慣れているということが大きいかと思います。パソコンのクリエイター専用の動画編集ソフトとスマートフォンのアプリ内にある動画編集では、操作方法も大きく異なります。
スマホアプリはパソコンの動画編集ソフトに比べて、はるかに簡略化されているので、日常的にスマートフォンやパソコンを操作していれば、想像しているよりも早く簡単に習得することができます。
映画やテレビコマーシャルを作るのでなければ、動画編集に必要なスキルは限られています。一度慣れてしまえば、長い時間をかけずに制作することができます。
私がYouTubeを始めた時に「人気YouTuberは動画編集に丸1日かけている」という話を聞きました。編集に丸1日かけていたのでは、仕事と並行しながらYouTubeを配信することができません。そこで何とか効率よく動画を作れないかと思いついたのが「スマホで始めるYouTube」でした。
「スマホで撮影、スマホで編集」。スマートフォンで動画を作ることが、そもそも時間の効率化を考えて行き着いた答えなので、10分〜15分ほどの動画の編集時間は早ければ数十分、少し凝った動画でも2〜3時間で編集ができます。
私の動画スクールでは「1時間以内に動画を作る」と決めていて、日常生活や仕事に支障がない範囲内で制作をしている生徒さんもいらっしゃいます。
動画制作に費やすエネルギーについては、「スマホで制作できる」というのが大きなポイントになってきます。スマートフォンで動画編集ができるということは、机に座っていなくてもできるのです。(職場ではなかなか難しいと思いますが)ソファーに寝転がりながら、また布団の中でも編集をすることが可能です。
机に座って編集をしなくてよいというのが、実は動画編集のハードルを大きく下げている要因の1つだと思っています。「少ないエネルギーで動画を作ることができる」これは私がYouTubeを継続できている大きな理由の1つです。
企画、撮影、編集、アップまでできるようになるまでの期間はどれくらいですか?
目安は3カ月です。簡単な動画を撮影して配信するという初期のステップであれば1カ月〜2カ月で配信することが可能です。ある程度の完成度のものを配信するには、最低3カ月と考えていただければと思います。
最低限必要な知識などはありますか?
仕事で日常的にスマートフォン、スマホアプリを使用している人でしたら、特に必要な知識はありません。制作の過程で、マイクなどの周辺機器の接続やスマホ間での動画のやりとりが必要になってきますので、Bluetoothやクラウドストレージの概念は知識として知っておくといいと思います。
あとはファイル形式の名前が用語として頻繁に出てきますので「動画のファイル形式はMP4」「画像ファイルはPNGかJPEG」この辺も知っておくとよいかと思います。
今回は一問一答形式で、どれくらいの労力を想定したらよいのかなどについて伺いました。次回も引き続き、職員のみなさんと共に取り組むためのポイントをご紹介いただきます。次回は3月8日に配信予定です。