患者数は増えているのに伸び悩んでいると感じる原因とは・・・脱却するには他の診療所と差別化を|院長Q&A
今回、ある院長から「患者数が伸び悩んでいる。どうしたらよい?」というご質問をいただきました。これは2023年に入って以降、多くの診療所で共通した悩みの一つになっています。
ここ数年、患者数は比較的簡単に伸ばすことができるとお伝えしてきました。患者数を上げるための方法があり、それをしっかり行っていれば患者数を増やすことができました。IGYOULABを運営するトゥモロー&コンサルティングの関与先の中でコロナ禍で開業した診療所でもしっかり患者数を伸ばせていました。
しかし2023年に入ってから、開業して10年、15年経つ先生方や、開業したばかりの先生方も、患者数を上げることが簡単だと言えなくなってきたというのです。
一体何が起きているのでしょうか、そしてどうしたらこの事態から脱却できるのかについてお話していきたいと思います。
目次
差別化できないコモディティ化とは?
患者数が伸び悩んできたと感じる背景としては、コモディティ化があげられると思います。
コモディティ化とは、似たような商品やサービスなどが世に出てくることで、他との差別化が難しくなることをいいます。
最近の開業を見てみると、次のような診療所が多くなりました。
・HPや院内がキレイ
・予約が簡単にとれる
・開業当初から人材育成を行っている
・HPだけでなくチラシなどの戦略も明確に行っている
・しっかりとしたコンセプトを持っている
開業して10年、15年以上経つ先生方も、情報化社会の中で、どうしたら職員や患者さんが定着するかを考え、行動されてきた先生方が多いかと思います。そして新型コロナウイルスの流行時にすぐに対策をされたところは、その後の立て直しも早かったように思います。
しかし昨今、どこの診療所もHPや院内のつくりなどが似てきていて、コモディティ化しているように感じています。
例えば内科では特化型の医院が増え、歯科医院では子どもやファミリー層向けが多くなっています。同じタイプの診療所が出てくることで、患者さんはどこを選べばよいのか分からなくなり「同じようにキレイでサービスも良ければ自宅近くの診療所でよいのではないか」と考えるようになります。そうすると差別化が難しくなってしまうのです。
患者数は増加していても・・・
先生方の診療所でも実感されているかもしれませんが、統計的には患者数は増えています。
一方で10年前に比べて実際の1日あたりの患者数は増えているものの、伸び悩んでいると感じていらっしゃる先生も多いかと思います。それは支出が多くなっていることが一つの要因です。
WEB予約や維持費、人件費などの支出が多くなっていることや、多様性の時代に合わせて様々なサービスを提供するために人員配置を増やしているところも多いかと思います。いわゆる利益率が過去に比べて下がってきているのです。これが「患者数の伸び悩み」という感覚に繋がっているのだと思います。
実際に伸び悩んでいると感じている先生にお伺いしても、10年前に比べて患者数は増えているが、コロナ禍の影響で減少し、そこからの伸びが弱いと言われます。
患者数は増えているものの、他の診療所との差別化が難しくなっているのが現状なのです。
どうやって差別化する?具体的な方法とは?
差別化が難しくなった状況を打破するためには、新たに差別化するしかありません。
まずは診療所経営がうまくいくために、HPや院内の雰囲気、コンテンツなど一定のレベルを押さえてこられたかと思います。
HPでは、患者さんに向けたメッセージや診療所の理念、職員の紹介や院内の雰囲気などを載せることは、いまや標準になっています。
ここにどうしたら先生らしさ、特色を加えられるかという点が重要になってくるのです。
具体的な方法として、院内の掲示物で特色を出すことも一つかと思います。掲示物は患者さんにプラスアルファのことに気づいてもらう、そして口コミに繋がるような情報を載せると良いと思います。
それぞれの診療科の中でも特に先生が強い部分、研究している内容などを掲示物で色濃く出していくこと、つまり先生が当たり前にやっていることを「見える化」するということが大切なのです。
また、管理栄養士による栄養講座や運動講座など、職員のみなさんと一緒に診療プラスアルファのコンテンツを出していくことも良いと思います。
これまでの医療の方向性や、今まで大切にしてきたことを見える化するということで、脱コモディティ化に繋がると考えています。
特色ある情報を発信したい!何を伝えるべき?
差別化するために大切になってくるのが、どんな情報を発信するかということです。
先生が開業している地域に住む人たちが知りたいことは何か、実際に診療所に通院している患者さんが求めているものは何かを理解し、患者さんたちが知りたいものに特化して発信していくことがポイントになります。
では患者さんや地域の人たちが知りたい情報をどのように把握すればよいのでしょうか。
その手段がアンケートです。既存の患者さんに「何が知りたいか、どういう点を調べて来院したか、病気になったときに何を調べたか」など実際の声を聞くことが近道かと思います。
例えば「先生や院内の雰囲気が知りたい」という声に対しては動画での発信が有効かと思います。先生の生い立ちなどの背景や、どんなことを意識して診察しているのか、など「想い」の部分も合わせて伝えてみてはいかがでしょうか。
また、治療の流れに関して、ご自身の診療所で一番多く行っている治療方法を具体的に明記してみることもよいかと思います。そして「この薬を飲むとどうなるか」など事実を書いていただくことで信用にも繋がります。
動画はこちらから
こちらの動画からもご覧いただけます。
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今回は「患者数が伸び悩んでいる」というご意見をいただきました。
実際に伸び悩んでいる場合もありますが、診療所経営においてもコモディティ化していること、患者数は増えているものの支出が多く利益率が下がっていることも要因として考えられると思います。脱コモディティ化するためにも、患者さんが知りたいことを具体的に掘り下げて発信し、差別化していただければと思います。ぜひご参考にしてください。
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