“イチキュッパ” 数字表記がもたらす影響を自費や待ち時間で使う|行動経済学
行動経済学とは経済学と心理学の視点を組み合わせて考える学問で、最近の消費者行動において非常に注目されています。この行動経済学を、日々の診療所経営の中で、どう活用できるのかについてお話します。
今回は「数字が与える印象」についてご紹介します。
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1,980円と2,000円が与える印象の違い
1,980円と聞くと2,000円よりも安く感じる方が多いのではないでしょうか。
実際に1,000円の商品を980円にしたときに売り上げが上がったという事例があります。一方で、ブランド品を端数のある価格にしても売り上げは伸びず、逆に切りのいい金額に設定したところ売り上げが伸びました。
行動経済学の中では、切りのいい数字よりも安いと感じさせる価格のことを「端数価格」、そして切りがよく、高級感や高品質であるという印象を与える価格を「威光価格」といいます。
端数価格は「安い、お得」と捉えてもらいたいものに関しては非常に効果があり、威光価格はイメージやブランド力を上げたいときに効果が出ます。
数字が与える印象 医療現場ではどう活用するか
さて、これを医療現場に置き換えて考えてみましょう。
例えば歯科でいうと、お得感を伝える価格設定をしたいときは端数価格に、逆に、ある自費診療でブランド力があるというものに関しては、威光価格に設定していただくとよいのではないでしょうか。
価格だけはなく、時間感覚など数字で示せるものは、この考えが当てはまると言われています。
例えば、マッサージやエステなどで施術時間が55分というところと、60分というところでは印象が変わります。60分や90分と言われると、しっかり時間が確保されていると感じる方が多いのではないでしょうか。
時間感覚についても医療場面で考えてみると、例えば待ち時間があります。
「待ち時間はどれくらいですか」と聞かれた場合、30分と25分と回答するのとでは印象が変わるのではないでしょうか。
1,980円が2,000円を切っていることと同じように、30分より短い25分は安心感を与えられるかもしれません。
このように端数価格と威光価格では、効果や役割が異なりますので、患者満足度や自費の価格設定をされるときに、「安く売り出しハードルを下げたいのか、高品質・高級感のあるものとして売り出したいのか」を考えて使い分けしていただければと思います。
ぜひご参考にしてください。
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