開業時だからこそ、診療時間を有効に活用したい。昼休憩の設定を変えるだけで集患面や職員の採用定着、そして持続可能な経営を考えていく診療時間とは?歯科版|開業Q&A
開業される先生から実際にいただいたご質問に、「今の時代に合った解決方法や考え方」を紹介する開業Q&A。今回は「診療時間で最近変わったことは?」と、多数の先生からいただいたご質問にお答えします。先生のやりたい医療を叶えるだけではなく、患者さんや職員のライフスタイルや価値観の変化により変わってきたニーズとその解決方法を紹介していきます。
固定概念に縛られない診療時間にする理由
最近は、医療機関によくある「中抜けの昼休憩」を短くしたり、無くす先生が増えてきました。他にも診療開始時間を遅くしたり、診療終了時間を早くする歯科医院もあります。その理由は、先生のやりたい医療を叶えるためであったり、ターゲットにしている患者さんに合わせていたり、職員が働きやすく定着するためなど様々です。
診療時間を増やして売上をあげる
診療時間を増やすことで、患者数が増え、売上に貢献することができます。そのため、昼休憩の時間を減らし、チェアの稼働時間を増やす工夫をしている先生も増えてきました。また、思い切って休憩時間を無くす歯科医院もあります。その場合、院長先生や常勤の方の休憩時間は、パートの衛生士さんに定期健診などの対応をしてもらい、休憩時間の電話対応もパートの方にお任せしていたりします。ただ労務は遵守しなければいけませんので、週40時間以上は残業になってしまうことや、1日5時間以上の勤務の場合、常勤、パートに関わらず休憩が必要になることはご留意ください。社労士の先生に相談しながら、うまくパートのシフト配置をすることで、労務を遵守しつつ診療時間を増やすことが可能になります。
患者さんのニーズや職員の定着に重きを置く診療時間
ターゲットによって診療時間を変えることで、患者さんの離脱を防いだり、定期健診の予約を入れやすくし、予防に力を入れることができます。世代により、通いやすい時間帯は異なります。中高年では、夕方以降の外出を嫌がる傾向にあるため、午前中や昼の時間帯に予約が入りやすい傾向があります。逆に学生やサラリーマンは、夕方以降でないと通院が難しいため、週に2日は診療時間の開始と終了を遅くするような診療時間設定をしている歯科医院も増えてきました。
職員の働きやすさに関しても、パートを選ばれる方は、子どもや家族のいない時間帯に働きたいという方が多いため、パートのシフトの組み方を工夫することで、常勤は休憩をしっかり取ることができ、パートも働きたい時間に働くことができ、職員の定着につながります。
今回の記事で伝えたいこと
先生のやりたい医療を叶え、患者さんや職員のニーズに応え、法律を守りつつ、診療時間を組み立てていく先生が増えてきたということをお伝えしました。そしてトータルの診療時間を加味し、患者数も確保できるような診療時間を開業時にこそ考えていただければと思います。前例のないことをするのは、不安なことですが、もしうまくいかなければ、診療時間は変えることができますので、固定概念にとらわれず、開業時はしっかりと目的を定めて診療時間を決めていただければ良いかと思います。
ご参考にしてください。
この記事の関連動画はこちらから
動画では、具体的にフレキシブルな診療時間にしている歯科医院の紹介もしていますので、ぜひ下記より動画もご覧ください。