人材育成を行う事業主を支援|人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、事業主が働く人たちに対して知識や技術を学ぶ機会を設けた場合に、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部を助成するものです。
今年度から「人への投資促進コース」の新設や、eラーニングや通信制による訓練の場合も、経費が助成の対象となるなど変更されている点があります。
人材開発支援助成金とは
生産効率を上げたい、 事業拡大して新たな分野に挑戦したいなど組織のレベルアップを図りたいと考えた時、働く職員の力を存分に発揮してもらうためにも、人材育成は欠かせません。そして人材育成を行うことで、職員の定着などにも繋がるのではないでしょうか。
この助成金は、職務に関連した専門的な知識や技能を修得させるための職業訓練などを計画に沿って実施する事業主などを助成する制度です。
この制度では次の8つのコースが設けられています。
①特定訓練コース
②一般訓練コース
③教育訓練休暇等付与コース
④特別育成訓練コース
⑤建設労働者認定訓練コース
⑥建設労働者技能実習コース
⑦障害者職業能力開発コース
⑧人への投資促進コース
①特定訓練コース
正規雇用労働者に対して、厚生労働大臣認定のOJT付き訓練、若年者への訓練、労働生産性向上に資する訓練など、10時間以上の訓練を行った場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成します。
※OJT (On the Job Training):指導者のもと、企業内の事業活動の中で行われる実務を通じた訓練
経費の助成は45%、賃金の助成は1人1時間当たり760円です。
OJTを実施した場合の助成額は定額制に変更され、1人1コースあたり20万円となっています。
その他、35歳未満が対象の若年人材育成訓練の対象者についても
「雇用契約締結後5年を経過していない労働者」から「事業所の雇用保険被保険者となった日から5年を経過していない労働者」に変更されました。
一定年数雇用していた非正規雇用の人を正社員化して訓練を実施した場合も、新たに対象となります。
②一般訓練コース
雇用する正社員に対して、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための20時間以上の訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成
経費の助成は30%、賃金の助成は1人1時間当たり380円となっています。
③教育訓練休暇等付与コース
有給の教育訓練休暇制度などを導入した事業主を助成
▼教育訓練休暇制度(3年間に5日以上の休暇制度を導入):30万円を支給
④特別育成訓練コース
パートやアルバイトなどの有期契約労働者の正社員転換や処遇改善を目的に、人材育成に取り組んだ場合に助成
賃金助成は1人1時間当たり760円、正社員化した場合の経費助成は70%、非正規雇用を維持した場合の経費助成は60%となっています。
有期実習型訓練の実施助成は1人1コース当たり10万円の支給です。
⑧人への投資促進コース
デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練などを行った場合に助成
▼高度デジタル人材の育成のための訓練など
経費助成率は75% 賃金の助成額は960円
▼IT分野未経験者の即戦力化のための訓練
経費助成率は60% 賃金の助成額は760円 OJT実施助成額は20万円
▼働きながら訓練を受講するための制度を導入する事業主への助成の拡充
・長期教育訓練休暇制度(30日以上の休暇を取得できる制度を導入):20万円を支給、賃金の助成は1人1日6,000円支給
・教育訓練短時間勤務等制度(所定労働時間の短縮などを導入):20万円支給
▼労働者が自発的に受講した訓練費用を負担する事業主に対する助成
新設され経費助成率は30%
▼「定額制訓練」(サブスクリプション型の研修サービス)を利用する事業主を助成
新設され助成率は45%
なお、助成金額は生産性要件を満たす場合などによって異なります。
助成金を受給するには、労働局への訓練実施計画の提出、そして訓練を実施した後、支給の申請を行い、審査の上、支給・不支給が決定されます。
コースの詳細や、申請の手続き、支給限度額や詳しい要件などは以下からご覧ください。