今、良くある診療時間をやめる院長が増加。集患面や職員の採用定着、そして持続可能な経営を考えていく診療時間とは?|開業Q&A
開業される先生から実際にいただいたご質問に、「今の時代に合った解決方法や考え方」を紹介する開業Q&A。今回は「診療時間で最近変わったことは?」と、多数の先生からいただいたご質問にお答えします。先生のやりたい医療を叶えるだけではなく、患者さんや職員のライフスタイルや価値観の変化により変わってきたニーズとその解決方法を紹介していきます。
開業される先生が診療時間に悩まれる理由
今開業をされる、開業を検討されている先生が診療時間に悩まれる理由として、よりアグレッシブにしたい、今までとは変えていきたいと考えている先生が増えていることにあるように思います。ここで言う「今まで」とは、医療機関によくある「中抜けのお昼休憩時間が長い」診療時間設定のことです。この医療機関特有の中抜けの時間が長い診療時間を選択したくない理由は、「患者さんのニーズに合わせたい」「職員の働きやすさを重視したい」という2パターンが多いです。
患者さんのニーズに合わせたい
働き盛りのサラリーマンの約7割が土日休みと言われています。それにも関わらず、医療機関での土日診療はまだ少なく、働き盛りで、より予防医療が必要な人ほど医療機関に通うことが困難な状況にあります。そんな患者さんのニーズに合わせるため、働き盛りの人でも診察でき、予防医療に意識を向けてもらえるような診療時間にしたいと考えている先生が多いように思います。
そこで土日診療をしてみたり、地域によって異なるとは思いますが、定時退社が多いと思われる曜日は診療時間を遅くまで設定するなどの解決方法をご提案させていただいています。
職員の働きやすさや生活を重視したい
今は、お給料や社会的地位よりも、プライベートの時間や家族との時間を大切にしたい、など人生における優先順位が昔とは変わってきています。また医療機関は女性の多い職場のため、5時30分から6時には帰りたいという方が多いように思います。売上を上げながら、やりたい医療も叶えていく中で、このような要望に応えていきたいと考える先生も増えてきました。
中抜け時間の無い診療時間の一例を紹介します。
・お昼休みをとらないケース(9時~18時まで通しの診療時間)
昼休みは医師と常勤の職員だけ設け、その間はパートさんにクリニックを任せるという仕組みです。診療は医師が行わないといけませんが、検査や採血、お薬の説明、栄養指導などをパートの看護師に任せます。先生がクリニック内に在席して医師の監督下であれば、問題ではありません。
このような診療時間を選択することで厳守しなければいけないのは、労務です。詳細は社労士さんにご確認いただきたいのですが、労務を守りながら、職員の働きたい時間を尊重することが可能になっています。
社会的に求められていると思われる診療時間とは
弊社が考える、社会的貢献度が高い診療時間は、「日曜診療」です。7割のサラリーマンが休日である日曜日に診療しているクリニックが増えれば、サラリーマン世代の受診が増え、結果、予防や早期発見、早期治療につながるのではないかと考えています。
今までの中抜け時間が長い診療時間にこだわるのではなく、先生がターゲットとする患者さんのニーズや、やりたい経営を叶える診療時間を選択していただければと思います。
動画はこちらから
固定概念にこだわらず、先生の叶えたいことを実現するための診療時間の考え方を紹介しました。ぜひご参考にしてください。さらに具体例などは、下記の動画でも紹介しています。