開業資金いくら借りれるのか?担保?保証人?自己資金?借入額を伸ばす交渉に大切な戦略と情熱でプラスを獲得する!開業Q&A
先生方から寄せられた開業に関する質問に「今の時代ならどうするか?」という視点でお答えする連載「開業Q&A」。開業を検討している先生、今まさに開業準備中の先生に見ていただきたい内容となっています。
弊社は開業後の案件が多いため、開業準備の際に想定していたことが、実際にどうなったのかというノウハウがありますので、開業された先生方が開業準備でやっておいて良かったと感じていることをお伝えできればと思います。
こちらの記事の詳細は動画でご覧いただけます。動画は記事の最後にリンクがありますので、ぜひご活用ください。
借入金額を左右する要素とは?
今回は「開業資金、何億まで借りれるの?」という質問をいただきました。
なお、この話は地域や、銀行や信用金庫の違いなどによって変わりますので、こういうケースもあるというスタンスで、参考程度に聞いていただければと思います。
借入資金は、先生自身や親族が所有する資産、保証人の信用度によって、借りられる金額が異なります。当然、土地・建物などの担保が多くあれば、金額は上がりますが、今回は、担保が少ない場合の話をさせていただきたいと思います。
担保がなかったら、何をポイントに銀行は金額を決めるのかというと、重要な一つの要素が「どれくらいの収入が見込まれるか」ということです。
医師か歯科医師が最も収入源になることから、開業時に共に働く医師や歯科医師の数が多ければ多いほど、つまり医師が複数人体制の診療所であれば、当然、借入可能金額が上がります。常勤は院長1人だったものの、週3日、配偶者も診察を担当するといった場合も、借入金額が高くなったケースがありました。
そして、保証人になる人の収入が多い場合も借入金額が上がる要素となったケースもあります。例えば、本人が歯科医師で父親も歯科医師の場合です。
担保や保証人だけではない もう一つの要素とは?
ここで2つの言葉の意味を考えていただきたいと思います。
「信用:過去の実績や条件付きで信じる」
「信頼:条件なしで信じる」
上記のニュアンスからも分かるように、「信用金庫」はありますが、「信頼金庫」はありませんよね。
では、借入の場合、条件は何かというとお金を回収できる可能性ということになります。具体的にいうと、その人の稼げる力や、その人が持っている財産を指します。
もう一つ、借入可能金額を上げる要素があると考えています。それは、事業の戦略性です。
弊社が担当した案件の中でも、事業の戦略に対して増額しているケースを何件もありました。本来であれば、1億円借りれる案件で、診療所のコンセプトは何か、どうやって採用、集患するのかという事業戦略があった場合に、1億5千万、もしくは2億円に増額されたケースがありました。
例えば、
▼この保険点数の案件で、どれだけの収入を想定しているか
▼どうやって回転率を高めるのか
▼離職を防止するために何を行うか など
こうした対策が明確であれば、経営能力が高いと判断されるのです。
銀行に提出する税理士が作成した事業計画は、あくまでも数字上の事業計画で、集患や人件費の見込みなど数字上の計画を示す、まさに予実管理です。
それに加えて、例えば、患者数を増やすために、収入を上げるために
▼看板を出す
▼Web予約に誘導するランディングページを作る
▼そのためのリスティング広告を行いながらSNSやブログによってSEO対策を行う
▼採用する見込みの医師がいる(すでに承諾を得ている)
▼看護師の育成、離職防止のための研修や面談を実施する など
具体性のある戦略的な計画があると、やる気や経営力を感じます。
戦略を具体的に立てている先生はかなり少ないように思いますので、具体性がある戦略を銀行に提出することで、借りられる金額が上がるのではないかと思います。
実際に、弊社の案件の中で、初回開業で5億以上10億円未満の開業資金を借り入れたという案件が2件ありました。すごく担保があったわけではなく、戦略性が高かったことで、この金額となっていました。
3億円のケースも2件ほどありますが、こちらもある程度の担保や保証人があったものの、こちらも事業戦略を評価されていました。そして、事業戦略性が高いことに加えて、先生のプレゼンテーション能力も影響すると感じました。
具体的な戦略を、ぜひチームを組んで、様々な視点から考えてみてはいかがでしょうか。ご参考にしてください。
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