診療所の医療活動継続に向け防災対策強化へ|中小企業の計画認定制度の活用を
いつどこで起こるか分からない災害。災害時に医療活動を継続させるためには、あらかじめどのようなリスクがあるのかを踏まえた上での対策を講じておくことが大切になってくるのではないでしょうか。
中小企業庁などでは、災害への対策を盛り込んだ計画の作成を推進しています。中小企業の防災・減災の取り組みを国がサポートする「事業継続力強化計画」の認定制度があります。防災対策の強化だけでなく、診療所が受けられるメリットもあります。ぜひいま一度、診療所の防災対策を見直してみませんか?
事業継続力強化計画の認定制度とは
自然災害に対する事前の対策を推進するため、防災・減災に取り組む中小企業が事前対策を取りまとめた計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度が設けられています。
計画の記載項目は以下の通りです。
▼事業継続力強化に取り組む目的
▼災害リスク認識や被害想定(ハザードマップなどを活用)
▼初動対応手順(安否や被害の確認など)
▼ヒト、モノ、カネ、情報を守るための対策(必要かつ取り組み可能なものを記載)
▼計画の推進体制
▼訓練の実施や計画の見直しなど
▼連携体制や取り組み、関係社の合意(連携する場合)
災害が発生したときに、すぐ行動に移すためにも、診療所内で共通認識を持ち、備えのレベルアップを随時図っていきたいですね。
メリットあり!認定された中小企業には税制措置や金融支援も
認定された中小企業は、低利融資などの金融支援、防災・減災設備に対する税制措置、補助金の優先採択などの支援を受けられるといったメリットがあります。
税制措置(中小企業防災・減災投資促進税制)の対象となるのは、自家発電設備や排水ポンプ、制震・免震装置、自然災害によって事業活動に与える影響の軽減につながる全ての設備などです。これらの取得価格の20%を特別償却できます。
さらに、中小企業庁のHPで認定を受けた事業所が公表されるほか、認定企業は認定されたことを示すロゴマークを活用できるため、診療所のさらなる価値の発信にもつながるのではないでしょうか。
なお、去年10月からは、感染症対策に関する認定も始まりました。地震や洪水などの自然災害に加えて、サイバー攻撃や感染症などに対応する取り組みも支援の対象となっています。
令和3年度から、一部を除いて、これまでの書面郵送による申請に加えて、電子申請システムから申請することができます。
中小企業庁のHPでは、計画策定の手引きなどが掲載されていますのでご参考にしてください。
詳しくは下記をご覧ください。