正社員化や処遇改善を行った事業主対象|キャリアアップ助成金
非正規雇用の労働者のキャリアアップを進めるため、正社員化などに取り組む事業主を対象にした「キャリアアップ助成金」。職員たちにとってはキャリアアップに、診療所にとっても、人財の確保や育成にも繋がるのではないでしょうか。今年4月から変更された点があります。
キャリアアップ助成金とは
有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを行った事業主に対して助成するものです。
次のコースが設けられています。
【正社員化支援】
①正社員化コース
②障害者正社員化コース
【処遇改善支援】
③賃金規定等改定コース (基本給の賃金規定等を2%以上増額改定した場合に助成)
④賃金規定等共通化コース (正規雇用との共通の賃金規定などを新たに規定・適用)
⑤賞与・退職金制度導入コース(賞与・退職金制度を導入し支給または積立てを実施)
※諸手当制度等共通化コースから名称が変更となりました。
⑥選択的適用拡大導入時処遇改善コース ※9月30日まで
(社会保険適用拡大に伴い、保険適用や働き方の見直しに反映させる取り組み実施)
⑦短時間労働者労働時間延長コース (週所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険適用)
コースによって、助成金額が異なりますが、一人当たり最大で72万円の助成を受けられます。
2022年4月から変更点とは
正社員化コースは、正社員に転換または直接雇用した場合に助成されます。有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の助成が廃止されました。
・ 有期 → 正規 : 1人当たり 57万円(生産性の向上が認められる場合は72万円)
・ 無期 → 正規 : 1人当たり 28万5,000円(生産性の向上が認められる場合は36万円)
※ 有期 → 無期:1人当たり 28万5,000円(廃止となりました)
正社員化コース、障害者正社員化コースともに、正社員の定義が変わります。(2022年10月1日以降の正社員転換に適用)
「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正社員への転換が必要となります。また非正規雇用労働者の定義も変わり、「賃金の額または計算方法が『正社員と異なる雇用区分の就業規則等』の適用を6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者」となります。
賞与・退職金制度導入コースは、有期雇用労働者などに対して、賞与や退職金制度を導入し、支給または積立てを行った場合に助成するもの。
賞与や家族手当、住宅手当、退職金、健康診断の制度を正規雇用労働者と共通化した場合に助成されていましたが、今年度からは、賞与や退職金制度を新設した場合に助成されることに変更となりました。
短時間労働者労働時間延長コースは、週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成されます。
延長すべき週の所定労働時間の要件が週5時間以上から週3時間以上に緩和され、助成額の増額措置が2024年9月末まで延長されます。
この他にも変更点はありますので、詳細はこちらをご覧ください。
キャリアアップ助成金を活用するには?
各コースに記載されている支給申請期間内に、必要な書類を事業所の所在地を管轄する都道府県労働局に提出することが必要です。
例えば、正社員化コースだと、転換または直接雇用した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6カ月分支給した日の翌日から起算して2か月以内に申請することが必要です。
申請するにあたって必要な書類の一つがキャリアアップ計画です。キャリアアップ計画期間や、対象者や目標、目標を達成するために講じる措置などを記載するものです。
計画書は開始日の前日までに管轄労働局長への提出が必要となります。
詳しくは、最寄りの都道府県労働局またはハローワークにお問い合わせください。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。