職員が安心して働ける職場を 人材確保&定着対策へ「中小企業退職金共済制度」
中小企業退職金共済制度は、中小企業の常用労働者を対象とした国の退職金共済制度です。退職金制度を単独で備えることが難しい中小企業のために設けられています。掛金の一部を国が助成し、税制上の優遇措置が受けられるなどのメリットがあります。
10月は中小企業退職金共済制度の「加入促進強化月間」となっていて、制度を運営する独立行政法人・勤労者退職金共済機構では、この制度への加入促進や広報活動などが行われています。そこで今回は、中小企業退職金共済制度についてご紹介します。
中小企業退職金共済制度とは
退職金制度を単独で備えることが難しい中小企業のための国の退職金制度で、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって設けられています。中小企業で働く人たちの福祉の増進を図り、中小企業の振興に寄与することを目的としています。2022年6月末時点で、約55万9000の中小企業が加入しています。
従業員ごとに掛金月額を選択でき、加入後いつでも増額できます。掛金は全額事業主の負担で、5,000円から30,000円の16パターンの金額から選ぶことができます。短時間労働者には、この16パターンに加えて、2,000円、3,000円、4,000円の特例の掛金金額も用意されています。
事業主と勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)が契約を結べば、あとは退職者に直接、退職金が支払われる形です。
加入するメリットとは?
①国の助成がある
新しく制度に加入する事業主や、掛金月額を増額する事業主に、掛金の一部を国が助成します。
(Ⅰ)新しく制度に加入する事業主には、掛金月額の1/2(従業員ごと上限5,000円)を国が助成します。(加入後4カ月目から1年間助成)
短時間労働者の特例掛金月額(2,000円、3,000円、4,000円)には、掛金月額の1/2の額+それぞれ300円、400円、500円が上乗せされます。
(Ⅱ)月額変更助成
1万8,000円以下の掛金月額を増額する事業主に増額分の1/3を国が助成
(増額月から1年間助成)
②掛金は非課税
掛金は、法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となります。(資本金の額または出資の総額が1億円を超える法人の法人事業税には、外形標準課税が適用されます。)
③従業員の福利厚生に利用できる提携サービス
加入企業の特典として、勤労者退職金共済機構・中退共本部と提携しているホテル、レジャー施設などを割引料金で利用できます。
他にも、
掛金は口座振替なので手間がかからず、従業員ごとの納付状況や退職金の試算額を事業主に知らせてくれます。さらに退職金は、勤労者退職金共済機構から直接、退職者の預金口座に振り込まれるため、手間がかかりません。
興味のある先生方は、ぜひ顧問税理士の方にご相談してみてはいかがでしょうか。
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