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やり方も考え方もバラバラな職場を揃える方法とは?|院長Q&A

院長からの質問にお答えする院長Q&A。今回は「スタッフの考え方ややり方がみんなバラバラで困っている。何かよい方法はないですか?」というご質問をいただきました。

さて、先日「クリニックマニュアルの達人」という本を書いた梅岡比俊先生と雑誌「BAMBOO」の企画でお話をする機会がありました。(10月号に掲載されますのでぜひご覧ください。)

今回いただいたご質問に対して、この本の内容が大変参考になるかと思いますので、本のご紹介も合わせてお話させていただきます。

個人の尊重と事業は別物

まず、「人は考え方もやり方もバラバラ」ということを経営者側が受け入れることから始まると思います。

時代は情報化社会、そして多様性社会となっていて、様々な意見や価値観を受け入れるようになってきています。つまり一人一人の常識を尊重しようという風潮が出てきているのです。まずはこうした時代であるという意識を経営者側が持つことで対応が変わってくると思います。

また、ここ最近の職場は幅広い年代の人たちが働く「多世代同居型」となっています。年齢差があると、当然生まれ育った時代も異なり、考えや価値観も違います。

そんな中で、個人の尊重を重要視していくことは当然大切ですが、そのことと事業は別であることをしっかり職員に伝えていくことが重要だと考えています。

「様々な価値観の中で、なぜクリニックの方針はこれなのか」を伝えることが重要なのでしょうか。その理由として「生産性」と「信用」が挙げられます。

事業である以上、生産性が重要で、特に医療は保険点数という単価が決まったビジネスモデルになるので、いかに量多く、質高く医療を提供することができるかは事業性の課題でもあると思います。

もう一つ、医療の現場で大事なのは先生の治療方針などに職員が同意し、ともに進んでくれる方がよりよい治療に繋がるということです。よい治療には患者さんとの信頼関係は欠かせない要素で、信頼関係に繋がる信用を得るためには、院全体の方針に一貫性があることが重要だと思います。

見える化して伝える大切さ

上述のとおり「色んな価値観があってもいいけれど、事業としては揃えていくことが大切だ」ということを伝えていくことが大切です。

伝える方法として、例えば方針発表会やマニュアルがあります。口頭だけでなく、文字や画像、動画など目に見える形にすることがポイントです。

誰でも同じ品質を提供することが重要で、属人化を解消していくことが求められます。同じ品質の提供が前提としてあり、その上で個性というエッセンスが掛け合わされるのが大切なのです。

今は働き方改革などでパート職員が増え、長期雇用も減ってきています。ブランクがあっても復帰しやすい、ブランクが長くても自分たちの知識やスキルをアップデートしやすいことが重要な時代になってきていると思います。

言葉だけで伝えるのには限界があります。マニュアルなど目に見える形で残すことで、アップデートしやすくなる、復帰しやすくなる、そして新しい職員が入っても比較的早い段階で戦力になるのではないでしょうか。

クリニックによっては、すでにマニュアルがあるにも関わらずバラバラになってしまっている、またはそもそもマニュアル作成に対して前向きでない状態であることもあるかと思います。

そこでマニュアルのサンプルを見て進めていただくことをオススメします。

「クリニックマニュアルの達人」の本の中にもサンプルや実際の事例が書かれていて、マニュアルがダウンロードでき、動画も見ることができます。こうしたサンプルを参考にして、「見える化」することに取り組んでいただければと思います。

「院長リソースを最大化できる」マニュアルの効果

「クリニックマニュアルの達人」の中では、マニュアルを作るメリットとして、「院長リソースを最大化できる」と表現されていました。

マニュアルを作るときには、それぞれ看護師や受付など各部署のスタッフにお願いするかと思います。そうすることで院長がマニュアル作りに拘束される時間が短縮できますし、各部署が主体的に作成することで、より各部署の役割や品質も明確になっていき、各部署の機能の最適化に繋がると思います。

「クリニックマニュアルの達人」を書いた梅岡先生は、「その空いた時間を院長ができる仕事に全振りしていく。採用や事業戦略、中長期戦略を考える時間や医療を提供する時間など、院長リソースの最大化に繋がる」とおっしゃっていました。

各部署が自分たちの役割をしっかり理解し、他部署の役割も全体的に把握することで、自分たちの役割に専念できるようになります。当然、教育コストも削減できます。このように、マニュアルによる見える化は非常にメリットが大きいと思います。

ご参考にしてください。

動画はこちらから

動画でもご覧いただけます。こちらの動画をご覧ください。

書籍「クリニックマニュアルの達人」は以下から

クリニックマニュアルの達人-マニュアル作成がスタッフの成長を加速させる | 梅岡比俊 |本 | 通販 | Amazon

『クリニックばんぶう』10月号 日本医療企画(発売日2023年10月01日)

クリニックばんぶうはこちらから

著者:IGYOULAB編集部(イギョウラボ)

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