購入の優先順位を持ち開業資金を戦略的に使うには?|開業Q&A
先生方から寄せられた開業に関する質問に「今の時代ならどうするか?」という視点でお答えする連載「開業Q&A」。開業を検討している先生や開業準備中の先生だけでなく、使えるお金が増えてくる開業5年目や10年目の先生方にもご覧いただきたい内容となっています。
今回は「限りある資金、何から買えばいいですか」という購入順位に関するご質問をいただきました。どんなことを優先して購入するものを決めていけばよいのか、参考にしていただければと思います。
記事の内容は動画でもご覧いただけます。動画は記事の最後にリンクがありますので、ぜひご活用ください。
目次
経営は投資と回収 どうリターンを得られるか
せっかく開業したからには、右肩上がりの事業展開をしていきたいと考えていらっしゃる先生が多いと思います。
払ったお金をもとに、どのようなリターンを目指すかという「経営=投資と回収(リターン)」という視点が非常に大切だと考えています。
リターンと言っても、お金、達成感や満足感、社会貢献という自身の願いを叶えることなど様々あるかと思いますが、お金を効果的に使うということが経営者にとって大事なことだと思います。
購入順位1位「保険点数に直結するもの」
一般業界では、例えば1本のペンをとってみても、98円で販売する店があれば、130円で売っているところもあります。つまり自由に価格設定をすることができるのです。
一方で、医療業界は、保険点数があるという特徴があります。全て自費診療であれば、自由に価格設定をすることが可能ですが、保険医として活躍されている方が多いと思いますので、定価が決まっているものを、1時間あたりにどれだけ販売するかということが事業性という観点からみて重要な視点になります。
まずは、「お金になりやすい、なりにくい」つまり「それを買うとお金が生まれるのか生まれないのか」という視点が大切だと思います。
例えば、歯科であれば、チェアが多い方が保険点数に直結しますし、医科であれば、リハビリ室が広ければ、多くの人を受け入れることができ、医業収入を得られることに繋がります。また、診察室や検察室が多い方が、回転率が上がるかもしれません。
それらがお金になりやすいのか、なりにくいのかという視点を持っていただいて購入順位を決めていただければと思います。これが事業性の考え方です。
さらに、どのような医療をどのように提供したいのか、自身の診療所を選ばれやすくするという考え方など感情がプラスされた部分も大切にしていただきたいと思います。
これをやる、これを買うとモチベーションが上がるということも大切かと思います。例えば、ステキなスタッフルームを設けることで、職員のモチベーションが上がり離職のリスクを減らすことができるかもしれません。
購入順位2位「時間を買えるか」
前述したとおり、チェア数や診察室の数、質のよい検査器具など、お金になりやすいもの、そして、待ち時間を減らすなど価値や特長に繋がるものは重視したいポイントです。
例えば、待ち時間を短縮でき、便利にできるWeb予約システムや自動精算機を導入することも一つかと思います。感情もプラスになりつつ、お金で時間を買うことができる。これは優先順位を上げていただくとよいかと思います。
購入順位3位「診療所の特徴に繋がるか」
次に優先していただきたいのが、お金には繋がらないものの、診療所の価値に繋がるというものです。
例えば、入口に大きな恐竜を設置して、子どもたちにとって楽しそうな場所だと話題になるなど、診療所の特徴になることにお金を使っていくことも大切だと思います。
一時的な欲求にはご注意を
他の先生が買っているものや何となく便乗して買ってしまうなど、一時的な欲求で買いたくなるものがあります。この一時的な欲求には気を付けていただきたいと思います。
投資と回収という感覚を持っていただき、お金の使い方を考えていただければと思います。
本当に保険点数に直結するか、時間を買うことができるのか、自分たちの特徴に繋がっているのか、「回収」をしっかり意識できているかを考えていただき、何を購入するのか決めていただければと思います。ご参考にしてください。
動画はこちらから
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