開業時の会計事務所選びは医療専門?それとも大手?いや個人のメリットも。特色を知ると選びやすくなる。|開業Q&A
先生方から寄せられた開業に関する質問に「今の時代ならどうするか?」という視点でお答えする連載「開業Q&A」。開業を検討している先生、今まさに開業準備中の先生に見ていただきたい内容となっています。
弊社は開業後のコンサルティング案件が多いため、開業準備の際に想定していたことが、実際にどうなったのかというノウハウがありますので、開業された先生方が開業準備でやっておいて良かったと感じていることなどをお伝えできればと思います。
今回は「会計事務所をどうやって選ぶのか?」という質問をいただきましたので、弊社の開業コンサルとして大切にしていることを踏まえて、お答えしていきます。
規模による特徴がある
開業時に会計事務所を選ぶとは、どこの税理士事務所をパートナーにしていくかということです。国家資格の区分として、「公認会計士」と「税理士」があり、「公認会計士」は企業などの財務を、「税理士」は税務を行う違いがあります。経営者には、納税の義務があるため、まずは「税理士」をパートナーにすることが重要です。開業時は、会計事務所よりも先に税理士事務所選びが大切になります。
税理士事務所の特徴は規模で分かれる場合が多いです。基本的に大型か小型の二極化ですが、まれに中型もあります。
まず大型の特徴は、M&Aなどで大きくなり、多種多様のノウハウがあり、業種やプランでパッケージ化されているなど、分かりやすく便利さに特化している事です。ただ税理士資格の無い「担当者」が窓口になりますが、ベテランの担当者だと税理士を超えるノウハウや知識、提案力を持っている場合もあり、担当者により差が出ることがあります。しかし最終確認では必ず税理士がチェックするため、税務のことでのミスは少ないです。また社内に労務士さんも駐在していたりとワンストップでパックとなっていたり、ITの導入で便利になっているところもあります。
中型の特徴は、大型になる手前で勢いがあり、多種のノウハウを持っているような印象があります。窓口は税理士さんの場合もあれば、担当者の場合もあります。毎月担当者が来て、税理士は年に数回来る、といった場合もあるようです。また労務に関しては、労務士を紹介してくれることもあります。
小型は、税理士さんが一人だったり、税理士さんをサポートする従業員が数名いる場合があり、税理士さんが窓口も担当してくれることが多いです。またパック化された大型と比べるとフレキシブルにおもしろいことができる場合が多いと思います。
医療に強い方が良い
医療は特殊な業界なので、税理士さんの医療案件の経験数も重要だと思います。税理士さんに「医療案件、個人と法人はどれぐらい持っていますか?」と尋ねるのも良いと思います。税理士さんの中でも起業系、相続系に強いなど得意分野は様々です。その中でも医療案件の経験数が多い税理士さんが安心ではないかと思います。
そして金額も確認しましょう。まず大型は、パック料金の中に労務士さんも入ってる金額なのか、契約して開業までの手続きがセットなのか確認しましょう。中堅は、顧問料が高いような感じがありますが、質問をたくさんしたい、高い提案力を求めるかで判断してください。小型は、安めなので、開業したてで税務処理だけしっかりすればいいという場合に良いですし、法人にするタイミングで法人に強い事務所に変えるのも良いと思います。
将来的に大きくしたい、分院を出したい、介護系もやりたい場合は、医療法人化しなければなりません。医療法人化を視野に入れる場合は、特に医療に強い事務所を選ぶことをおすすめします。規模の大きさは問いません。個人から法人化する際には、コツがいりますし、メリットデメリットの考え方がしっかりしたところに頼むところが良いと思います。
馬が合うか
最後に、何といっても税理士さんや担当者と馬が合うかが重要です。馬が合わないと質問しづらくなります。質問しなければ提案してくれる事もないため、ただ税務署類を作成し、税務処理をするだけの関係になってしまいます。ITやAIを導入している安い事務所で十分です。税理士さんとは、多くのことを二人三脚でやっていくことが良い事業につながるため、何人もお会いして気が合うかどうかにも比重を置いて考慮していただければと思います。
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