順調だった経営が崩れるのは“人問題”ばかり!?
「よりよい経営をしていきたい」「過去にトラブルがあったので、今後は防ぎたい」などと考えていらっしゃる先生も多いのではないでしょうか。
順調経営が落とし穴になる先生たちには、共通するものや、傾向・タイミングがあるように思います。今回は医療経営における落とし穴とは何か、何が引き金になるのかお伝えします。
医療経営の落とし穴とは!?
「落とし穴」とは言っても、医療経営は倒産するような業態ではないので、今回は、経営者として「ストレスを感じるトラブル」という意味でお話を進めさせていただきます。
例えば、複数の職員が辞める、職員と対立し職場の雰囲気が悪くなる、患者さんとのトラブルなどで、先生が強いストレスを感じるとき。「うまくいっていたはずなのに・・・」と思うタイミングです。
落とし穴のきっかけとなるのが「人の問題」が多いように思います。人の問題がきっかけで順調だった仕組みが崩れてしまうのです。
多くの場合は「人の問題」ですが、少ないケースとして、先生自身が健康を害した場合もあります。ですので、ぜひ健康にはお気を付けいただければと思います。
落とし穴のきっかけとなるものとは・・・
落とし穴のきっかけとなる「人問題」の引き金となるのはどんなことでしょうか。5つピックアップします。
①自信が慢心に変わる
「うまくいかなくなった」という経験をされた先生の中には、「自信と慢心、勘違いしていた」とおっしゃる先生が多いです。
自信と慢心は紙一重。慢心に変わってしまうと、人の話やアドバイスが耳に入ってこなくなってしまいます。
②時代のミスマッチ
例えば、創業時からともにやってきた職員が年齢やライフプランなどで退職し、新しい人を採用した途端に上手く行かなくなってきた、ということはありませんか?これは、昔から職員と上手く行っていたやり方のまま進めてしまったため、時代のミスマッチが生まれ、うまく成長してくれなかったというケースです。
時代のミスマッチは、職員だけでなく、患者さんの問題に対しても言えることです。
「昔はこのやり方がよかったから」ということだけでは患者さんは納得してくれません。地域のニーズに合わせながら、よい医療を提供していくことが大切になってきます。
「昔はこれでよかったのに何で?」と、患者さんを責めるような気持ちになってしまうと問題が生まれてきます。
③過去と同じ過ち
創業時、強いリーダーシップをとり、時には職員に対して厳しい口調で接し、職員が辞めてしまったという経験をされた先生もいらっしゃるのではないでしょうか。創業時は特にリーダーシップが必要な時期ではありますが、時代が変わる中で同じようにワンマンな態度や暴力的な雰囲気を続けてしまうと、職員がついて来てくれなくなってしまいます。
④加齢
先生方からは「年を重ねることで、怒りっぽくなった」「患者さんにも早口になった」という声を聞きます。自身の体調の問題で、疲れやすくなったため人の話が聞けなくなった、コミュニケーションをとらなくなったといったことも、「人問題」の引き金になる可能性もあるように思います。
⑤過剰投資
増築したり機器を買ったりと多額の投資をすると、返せないのが心配ということだけでなく、「これだけ返済金があるので患者さんを増やさなければならない」というプレッシャーで、職員に急成長とオーバーワークを強いることになり、これも引き金になる可能性があります。
このように、落とし穴となるきっかけを知っていただくだけでも、今後、問題を回避することに繋がるのではないでしょうか。
順調な仕組みが崩れても、そのまま放置してしまう先生もいらっしゃいます。なぜなら、売上が大きく下がっていないため、困っていないからです。ただ、職場の雰囲気が悪い状態が続きます。
売り上げだけを見ると順調でも、豊かな経営といえるでしょうか?せっかく経営するなら、経済も、職場の雰囲気もよく、そして豊かさを持つためにも職員や患者さんの話を聴くことが大切ではないでしょうか。
そしてヒアリングしたことを踏まえて、理念やビジョン、やり方を考え直して運用に繋げていく。V字回復されている先生方は、こうした方法で、人の問題を解決して、順調な仕組みに戻していかれる先生が多いように思います。
ご参考にしていただければと思います。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。