50年前から変わらない「先輩がいたからここまで働いてきました」
企業のドラマや小説で度々出てくる「面倒見の良い先輩や上司」。
この人がいたから苦労も乗り越えられました、私の社会人の基礎を作ってくれました、という話はよくあると思います。
先輩が後輩を育てるのは自然の摂理
私も思い返すと大きく影響を受けた上司がいます。
その人のおかげで社会人としてビジネスマンとして大きな成長ができたと思っています。
小さいころ色々なことを兄や近所の年上の人に教わりました。
もちろん、多くは親や学校の先生から学びます。
こうして自ら成長できる範囲と誰かに育ててもらうことの両立があって、幅の広い成長をするのだと思います。
これは人間だけではなく、動物界すべてがそうなのだと思います。
先輩もまた、後輩を育てて育つ
いつしか後輩ができたり、部下ができることで「面倒を見る側」になりました。
教えたり、ケアしたりすることで、自分が学んだり気付かされたりすることがたくさんありました。
学習効率(ラーニングピラミッド)では、聞く5%に対して、教える90%と大きな違いがあると言われています。
教えることで大きな成長するのだと思います。
放置を無くし、最高の学びをつくる先輩後輩関係
先輩後輩関係とは実は最高の組織育成なのではと思います。
新しく入った人は放置されればされるほど生産性や能力の発揮が下がります。
いずれ不安が募り、トラブルや退職するケースも多々あります。
後輩が入った先輩は仕事が楽になり、何もしなければ逆に成長が止まるという問題が起きます。
よく問題視されるのは中堅職員が、ほどほどに手を抜くし、組織に貢献していないという、宙ぶらりんの構図です。
先輩が後輩のケアをすることが役割になれば、先輩はより一層の成長が期待できます。
先輩後輩関係をしっかりと作ることはネガティブなことばかりではなく、良い学習する組織になる可能性が高いというわけです。
人の絆が困難を乗り越えさせる
また、先輩後輩関係の良いところは絆です。
誰もが愛着を持って接することで、お互いの関係性が深まっていきます。
その人が幸せになるように心から願えるようになると
「あなたはあなたでどうぞ」という個々の集団ではなくなると思います。
相手の幸せや成長を願い合う仲間同士になれば、当然困難に力を合わせていきます。
個人の困難や組織の困難、様々だと思いますが「相手の幸せを願い合う」ことで、困難を排除する思考が働きます。
あの人のために。人は好きな人のために頑張れる生き物だと思います。
上下関係は煩わしいというイメージを無くす。
最後に、そうはいっても上下関係は嫌だというイメージがあることは事実です。
それは、無理難題を言う人がいたり、関わらないで欲しいという人がいるからです。
この考えや感じ方のほとんどは「途中からされた場合」がほとんどです。
例えば、最初から当院は先輩後輩関係を大切にしているよ、無理難題を言う人はいないよ、と伝えて入社して頂いたり、既存職員には新しく入った人の面倒を見るとはどういうことか?先輩としての関わり方や、ふるまいとは何か?について時間をしっかりと取ることで、個人の都合の良い後輩への接し方を抑制することができます。
昭和時代のような関係性である必要はありません。
しかし、先輩が先輩らしく、後輩をケアすることは、良いことが多くなるということを知って頂き、そういう組織を目指してみるのも、「ここで働いていて良かった」と思えるエッセンスなのかと思います。