効果が上がらないビジョン・・・職員に響く内容と定期的な発信で浸透を|院長Q&A
院長からの質問にお答えする院長Q&A。今回は「診療所のビジョンを作ったけれど効果が上がりません」というご意見をいただきました。
ビジョンを作ってみたものの上手くいっていないということには、2つのポイントがあると思いますのでお話しさせていただきます。
ビジョンを浸透させるために定期的に発信を
1つ目は「職員にビジョンが浸透していない」ということです。ビジョンを立てたものの、職員が理解できるように、しっかり伝えていないということが多くあります。
例えば、院長がミッション、ビジョン、バリュー(使命「ミッション」、目標「ビジョン」、達成するための行動指針を示す「バリュー」)を作り、貼り出してあるだけになっている。あるいは、半年や1年に1回、職員にビジョンを伝えたままフォローができていない、など。
ミッションやビジョンのプレゼンテーションは1、2時間程度、そこで全てを理解することは難しいと思います。そしてその後、その話が出てくるのが6カ月後という状況では、なかなか浸透しません。
ミッションやビジョンを立てた場合は、詳しい内容が分かるように、掲げた理由も含めて書面にして貼り出したり、職員に配布したりして、確実に周知することが重要だと考えます。
同じ医療でも、人によって、叶えたい医療ややり方は異なります。それが先生の特色でもあり、各診療所における特性になるわけです。
それが明確にあることで、職員は頑張り方が分かり、行動に移すことで評価に繋がる。患者さんにとっては、治療のこだわりや特徴が分かれば、選択しやすくなり、安心にも繋がります。
ゴール設定の大切さは言うまでもありませんが、一般的にはクレドと言われている「バリュー=行動指針」を伝えていくこともとても重要です。
ミッション、ビジョン、バリュー、クレドの浸透は日常生活の中で生み出されるものなので、しっかり文字にして院内の各場所に貼るなど日常的に目にする機会を作ることも良いかと思います。
できれば、朝礼などで、クレドの意味と内容を伝え、具体的な対応を例に挙げながら、クレドをもとに働き方の注意や指示を出すと上手くいくと思います。
その上で、定期的にミッションやビジョンも伝えていくことで、浸透していくのではないでしょうか。
ビジョンは職員が身近に感じられるものを
2つ目は、ビジョンの内容です。
例えば、診療所の規模を大きくする、分院を出すなどは経営者にとっては大切なビジョンですが、職員にとっては、ピンと来ていないという可能性もあります。
職員にとって身近なもので無ければ、自分事として捉えることができません。職員が身近に感じられるように噛み砕いてビジョンを設定することも大事だと思います。
経営者としてやりたいことの中に、職員にも響く部分があると思いますので、その共通部分の言葉を使うことがポイントです。
例えば、「患者数を増やす」というビジョンにおいて、「たくさんの患者さんを診て、この地域で困っている人を減らそう、自分たちの医療技術を磨いていき、社会に還元することで自分の人生を豊かにしていこう」というように、職員のみなさんも自分事として捉えらえるような表現にしていくことをオススメします。
ビジョンを浸透させるためにも、職員に響く内容にし、定期的に伝えていくという仕組みづくりをしてみてはいかがでしょうか。ご参考にしていただければと思います。
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