長期雇用は本当にプラスに働くのか?院長Q&A
今回、先生からいただいた質問は「長期雇用は本当にいいのか」というものでした。
売り上げが1億円を超えている先生方の中で、長期雇用を行っている先生の方が少ないのも事実です。しかし、長期雇用にも大きなメリットがあります。
今回は、私なりの考えをお話ししたいと思います。ぜひご参考にしてください。
安定と変化 長期雇用と短期雇用それぞれの利点は?
短期雇用の中で、これだけは避けたいというのが、6カ月以内に辞めてしまう「離職」です。離職が相次ぐと負のスパイラルに陥りやすいからです。
ただし、長期雇用の指標を例えば5年と考えた時に、3年で退職するということは、悪くないと思っています。
なぜなら、ベンチャー企業のように、クリエイティブで変化への対応力が強く、スピーディーにやりたいことを進めていきたいと考えている先生にとっては、即戦力や創造性が高い人を採用した方が上手くいくことが多いからです。
創造性がある人はやる気があって能力も高いです。そういう人たちは、自分の技術やキャリアをアップさせるために職場を転々とします。
また、0から1にする仕事が好きだったり、より具現化したりすることを望むことが多いです。世の中にない診療所をつくっていきたいと考えている、また創業期に一気に伸ばしていきたいという場合は、マネジメントは難しいかもしれませんが、クリエイティブな力を持っている職員の採用は、プラスに働きます。
逆に長期雇用を望まれる先生たちが何を求めているのかというと、「安定感」です。
長期雇用の最大のメリットは、一緒にやる期間が長ければ長いほど、阿吽の呼吸で生産性が高められること。さらに、患者さんがいつも同じ職員を見ることによって安心感が生まれ、長期的に患者さんに来院してもらえることにも繋がります。
慢性疾患への対応や定期健診など長期的に患者さんを診ていきたいと考えている先生にとっては、長期雇用はプラスに働くと考えています。
雇用する上での費用や職場の雰囲気も判断材料に
マニュアルがしっかりしていれば、若い人を短期雇用しても即戦力になってくれますし、人件費を抑えることができます。
しかし、短期雇用でも人件費率が高くなる場合があります。それは、より能力が高い人を雇用した場合です。やりたいことがより高度に、そして規模が大きくなると、能力の高い職員を求めるようになり、人件費が高くなります。
長期雇用をしている先生の中で、人件費が高いと悩まれている方も少なくないのではないでしょうか。そんな時は、やりがいを創出していくことで、給料は頭打ちになるけれど、長く働き続けられるという仕組みに切り替えていくことで対応していくことも可能です。
長期雇用がよいのか、短期雇用がよいのか、これは先生がどのような医療経営をしたいのかに尽きると思いますが、私は「長期雇用」の方がいいと思っています。
なぜなら、数年で人が入れ替わる短期雇用ではマネジメント能力の高さが求められてくるからです。
同時に、採用費用がかかったり、誰かが辞めると士気が下がって雰囲気が悪くなり他の職員に影響したりと、リスクも生じてしまいます。
そして、短期雇用を続けていると、組織を引っ張っていくような中堅職員がいなくなってしまいます。一般に、多くの先生は地に足の着いた組織を望まれるのではないでしょうか。
安定した組織、職員に任せられるような組織を目指すには、長期雇用の方がよいと思います。
極めて特色のある希少性のあることをしようということでなければ、先生がやりたい医療の実現、そして職員の豊かさも含めて考えていただくと、長期雇用はメリットが高いと考えます。
ぜひ参考にしていただければと思います。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
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