人材確保へ 高齢者も働き続けられる職場づくりを|65歳超雇用推進助成金
高齢者の就業者数は年々増加し過去最多となり、医療、福祉の分野でも高齢者の就業者は10年前の約2.7倍になっています。
高齢者の雇用推進を目的に、定年の引上げや雇用管理制度整備などに取り組む事業主に対して助成する「65歳超雇用推進助成金」。
こうした助成金を活用しながら、人材確保だけでなく、シニア世代の職員が働きやすい環境を整えることで、性別や年代問わず誰もが働きやすい職場づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
働き続ける高年齢者が増加
2022年の高齢者の就業者数は、2004年以降19年連続で前年よりも増加し、912万人と過去最多となっています。
就業者総数に占める高齢就業者の割合も13.6%と過去最高に。高齢者の就業率25.2%、年齢階級別にみてみると、65~69歳は50.8%、70~74歳は33.5%といずれも過去最高となっています。
また高齢就業者(役員を除く)を雇用形態別にみてみると、非正規の職員・従業員が76.4%を占め、そのうちパート・アルバイトは52.5%と最も高くなっています。
「医療、福祉」の高齢就業者は10年前に比べて約2.7倍に増加しています。
65歳超雇用推進助成金とは
65歳超雇用推進助成金は、高年齢者が働き続けられる生涯現役社会を実現するため、65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備など、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う事業主に対して助成するものです。3つのコースが設けられています。
①65歳超継続雇用促進コース
以下のいずれかを実施した事業主に対して助成を行うコースです。
A:65歳以上への定年引上げ
B:定年の定めの廃止
C:希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入
D:他社による継続雇用制度の導入
【支給額】
年齢の引き上げ幅や措置の内容などによって支給される金額が異なります。
A:15万円~105万円
B:40万円~160万円
C:15万円~100万円
D:支給上限額10万円(66歳~69歳)、支給上限額15万円(70歳以上)
※上記の支給額を上限に制度導入にかかる経費の1/2を助成
【主な支給要件】
・制度を規定した際に経費を要したこと
・制度を規定した労働協約または就業規則を整備していること など
【申請】
措置の実施月の翌月から4カ月以内の各月月初から15日
支給申請書に必要な書類を添えて(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の各都道府県支部 高齢・障害者業務課に申請してください。
②高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
高年齢者向けの雇用管理制度の整備などを行った事業主に対して一部経費を助成するものです。
【対象となる措置】(実施期間:1年以内)
・職業能力を評価する仕組みと賃金・人事処遇制度の導入または改善
・希望に応じた短時間勤務制度や隔日勤務制度などの導入または改善
・負担を軽減するための在宅勤務制度の導入または改善
・必要な知識を付与するための研修制度の導入または改善
・専門職制度など適切な役割を与える制度の導入または改善
・法定外の健康管理制度の導入 など
【対象経費】
・雇用管理制度の導入などに必要な専門家に対する委託費やコンサルタントとの相談費用
・措置の実施に伴い必要となる機器やシステム、ソフトウェアなどの導入費
【支給額】経費額に以下の助成率を乗じた額を支給
中小企業:60%
中小企業以外:45%
【主な支給要件】
・雇用管理整備計画書を提出し、計画内容について認定を受けていること
・上記計画に基づいて措置を実施し、一定期間の運用状況を示す書類を整備していること
・支給申請日前日において1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者で、措置により計画終了日翌日から6カ月以上継続して雇用された者が1人以上いること
・措置の実施にかかる経費を支給申請日までに支払ったこと
なお、「雇用管理整備計画書」は計画開始の3カ月前までに、高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に申請し、認定を受けることが必要です。
【申請】
計画期間終了日の翌日から6カ月後の日の翌日からその2カ月以内に
③高年齢者無期雇用転換コース
50歳以上で定年年齢に満たない有期契約労働者を無期雇用に転換させた事業主に対して助成するものです。
【支給額】対象者1人につき、以下の金額を支給
中小企業:30万円
中小企業以外:23万円
なお、支給申請年度1適用事業所あたり10人までとなっています。
【主な支給要件】
・有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または就業規則などに規定していること
・上記の規定に基づき、雇用する50歳以上、定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること
・転換した労働者を転換後6カ月以上継続して雇用し、賃金を支給すること
「無期雇用転換計画書」は計画開始の3カ月前までに、高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に申請し、認定を受けることが必要です。
【申請】
対象者に対して転換後賃金を6カ月分支給した日の翌日から2カ月以内
支給要件や手続きなどの詳細は、都道府県支部高齢・障害者業務課(東京支部、大阪支部は高齢・障害者窓口サービス課)へお問い合わせください。
詳しくは厚生労働省のサイトをご覧ください。