人口減少と採用難時代に備えた医療機関での長期雇用対策、産休・育休支援の3つのポイント|院長Q&A
医療機関が直面する重要な課題の一つに、職員の長期雇用のための仕事と家庭の両立支援があります。
IGYOUTV(YouTube)が公開した動画、「【医療スタッフの子育て両立支援】/ 長期雇用の鍵 / 産休・育休改革 / スタッフの不安解消 / 医療業界におけるワークライフバランス / 経営者のための実践的アドバイス / 働き方改革の先進的提案」では、産休・育休制度に焦点を当て、時代に合った戦略的アプローチについて対談しています。
ぜひ、ご覧ください。
産休・育休制度の利用に関する実態
多くの医療機関では産休・育休制度が設けられていますが、職員がこれらを実際に利用しようとする時には、まだまだ大きな障壁が存在しているように思われます。
例えば、職場の文化や雰囲気が産休・育休を取りづらくしている状況や、職員自身がキャリアの中断や途切れに対する恐れを感じていることなどが挙げられます。
さらに、復職後の仕事と育児のバランスの不安定さや、職場への再適応の懸念もあります。
これらの不安要素がどのように生じるか、そしてそれらにどう対応すべきかを考え、改善していくことが産休・育休の利用率と質の向上につながり、職員の長期的な雇用を可能にするのではないかと思います。
産休・育休支援の3つの重要ポイント
具体的な改善の提案は以下の3つです。
①「不安」への対応
それぞれの職員が抱える不安を真剣に理解し、対応することが不可欠です。これには、時代に即した新しいアプローチと、職員のニーズに寄り添う柔軟な対策が求められています。
②フレキシブルな制度の導入
仕事と家庭をスムーズに両立できるよう、柔軟な産休・育休制度の導入が重要です。例えば、完全な休暇ではなく、時短勤務や在宅勤務の採用が、キャリアの中断や復職後の不安を軽減する手段となり得ます。
③経営者からの明確なメッセージ
経営者は職員への理解やサポートを明確に表明し、具体的な行動を通じて示すことが重要です。これにより職員が安心して制度を利用できるようになることが期待されます。
これらの実施は一時的には収益減少や負担の増加につながるかもしれませんが、長期的に見れば職員の満足度と効率の向上、そして組織全体の強化に寄与すると考えられます。
動画では、経営者自身が産休・育休を取った際の体験談もご覧いただけます。
ぜひ参考にしていただき、仕事と育児の両立支援と長期雇用の実現に向けた一歩となることを願っています。
参考情報:厚生労働省の建議による両立支援対策
厚生労働省の労働政策審議会から最新の建議「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について」が公表されています。
この建議は、働く人々が育児や介護と仕事をより良く両立できるようにするための具体的な提案を含んでいます。
詳しい情報は厚生労働省の公式ウェブサイトにてご覧いただけます。
労働政策審議会建議「仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について」を公表します
動画はこちらから
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
編集後記:男性のフレキシブルな産休・育休の重要性
出産と育児は多くの喜びをもたらす一方で、生活に大きな変化をもたらします。
人は本質的に、コミュニティへの参加、他者への貢献、自己成長から充実感を得る生き物だと思いますが、出産や育児に専念している期間はこれらが欠けることで、個人としての存在意義を見失ったり、孤独感や不安を感じることが多いのではないかと思います。
少子化問題の背景に経済的な要因があることは明らかですが、それだけでは解決に至らないのではないかと感じています。
最近、男性の産休・育休取得が増えていることは社会にとって重要な進展です。
特に育児の初期段階でのパートナーのサポートは、物理的なサポートのみならず、困難な時や不安な時の相談・協力相手として、また孤独感や喪失感を共有する存在として、大きな意味を持ちます。
男女共にフレキシブルな産休・育休制度が普及すれば、出産・育児中の安心感が増し、少子化問題の解決にも寄与するのではないでしょうか。