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スタッフの評価面談は必要か?職場が変わる効果的な面談の進め方 | 院長Q&A

今年もボーナス前に「面談や評価を実施すべきか?」とたくさん質問をいただきました。
いつもお答えしているのは、「絶対に実施すべき」ということです。
できれば1年に2回程度を推奨しますが、多い先生では毎月や3か月に1度の頻度で面談を実施されているケースもあります。

評価面談は、スタッフとの信頼関係を深め、組織全体の生産性を向上させる貴重な機会です。ただし、単なる形式的な評価ではなく、スタッフ一人ひとりの可能性を引き出し、自らの成長を実感させ、適切に評価する「真の対話」として機能させることが重要です。

今回は、なぜ評価面談が必要なのか、効果的に進めるための具体的な方法をご紹介します。

面談が必要な理由

「~すべきだ」ではスタッフは動かない

一般的なマネジメントでは、「~すべきだ」と危機感を煽るアプローチが取られることがあります。しかし、この方法にはデメリットが多く、また時代に合っていないやり方です。
スタッフが十分に尊重されない対応では、次第にネガティブ思考に陥り、利己的になりがちです。その結果、チームワークが低下し、ミスが増え、職場全体が悪化することに繋がります。

期待感を育むマネジメントが職場を変える

重要なのは、プラスを増やす「期待感」を大事にすることです。「期待感」を軸にしたマネジメントを行うことで、スタッフが「やってみる」という前向きな行動を取るようになります。

これにより、プラス思考や利他的な考え方が育まれ、チームワークが向上します。そして、ミスが減少し、職場環境が改善する好循環が生まれます。

面談の意義

しかし、日常業務の中では、スタッフに対して指示や注意が優先され、「期待感」を軸にしたマネジメントを徹底することは難しい場合があります。

そこで重要になるのが面談です。
面談は、スタッフとしっかり向き合い、正当に評価し、丁寧に話をするための時間です。この時間を設けることで、「喜び」や「期待感」を創出し、スタッフのモチベーションを高め、職場全体をより良い方向へ導くことができます。

面談は職場環境の改善にもつながる

具体的には、以下のような効果が期待されます。

・スタッフの認識の向上
スタッフが自分の役割や目標を理解し、将来のキャリアについて考える場となります。「自分は何のために働いているのか」が明確になることで、行動に意義を感じやすくなります。

・褒めることで喜びを増幅
日常的な褒め言葉も重要ですが、特別な場での評価はより強い印象を残します。この喜びが次の行動への原動力となります。

・ガス抜きの機会
スタッフが普段口にできない悩みや不満を話す場を提供することで、ストレスが軽減され、安心感が生まれます。

また、個々のモチベーションを高めるだけでなく、その成長を後押しし、職場全体の環境改善にも大きな効果をもたらします。
正当に評価され、感謝される文化が根付くことで、チーム全体が前向きに取り組み、一体感のある職場づくりが実現します。

効果的な面談の進め方成功するためのポイント

では、どのように面談を進めれば良いのでしょうか。
具体的な手順をご紹介します。

① 面談シートを用意する

面談は、スタッフが「聞いて欲しい」と思っていることをきちんと聞いてあげることが本質です。

一方的に先生が話すだけでは、スタッフに「自分の話を聞いてもらえなかった」という不満を抱かせる原因になりかねません。
双方向の対話であるべきです。

そこで役立つのが、面談シートです。
面談シートは、スタッフが「聞いて欲しいこと」を事前に整理しやすくするためのツールです。

エピソード形式の設問にすることで、スタッフが書きやすくなり、対話が深まりやすくなります。

IGYOULABを運営するトゥモロー&コンサルティング株式会社が、実際に活用している面談シートがこちらです。

【設問】

・活躍エピソード
・ノビシロエピソード
・1年後など近い未来、こうなっていると幸せだと思う状態を想像して書いてみましょう!
・先生や周囲にお願い事はありますか?

選りすぐりの設問で、スタッフが自己評価をしやすく、建設的な対話を促すよう設計しています。

動画では、これらの設問の背景や面談をより効果的に進めるためのポイントを詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

②スタッフの潜在的欲求を段階的に満たしていく

マズローの欲求5段階を参考に、スタッフが抱える課題を整理し、ピラミッドの下から順に満たしていくことが重要です。

高いレベルの目標や話ばかりを押し付けても、基本的なニーズが満たされていない場合、不満を抱かれ逆効果になることがあるからです。

たとえば、「やりがいのある職場で働いて欲しい」と話しても、労務が整備されていなかったり、給料が適切でなかったりすると、「先生はいいことを言うけど、実際は違う」と感じられ、不信感を持たれる可能性があります。

そのため、基盤となる欲求から着実に満たすことが重要です。

1.生理的欲求(労務の順守)
労務や休暇が十分であるかを確認。

2.安全の欲求(心理的安全性)
不満などのガス抜きを行い、安心して働ける環境を提供する。

3.社会的欲求(所属欲求)と承認欲求(フィードバック)
目的と役割を明確に伝え、具体的な感謝や評価を伝えることで、スタッフの存在価値を高める。

4.自己実現欲求(成長欲求)
将来的なキャリア目標を話し合い、スタッフの成長を支援する。

③感謝だけでなく役割や方向性を明確に伝達

「助かったよ」「ありがとう」といった感謝の言葉をしっかり伝えた後、スタッフに求める具体的な役割や方向性を示しましょう。

これにより、目標が明確になり行動に繋がります。

注意すべきこと

面談を管理の場と捉えると逆効果になる場合があります。
スタッフの成長を促し、職場全体を前向きにするために、以下の点を意識しましょう。

・ポジティブな姿勢を忘れない
面談は、スタッフに未来への期待感を持たせる場であるべきです。ネガティブなフィードバックばかりではなく、次のステップへのポジティブな提案をしましょう。

・ 管理したい場合は、行動指針を明確にする
必要に応じて行動指針(クレド)を評価項目に加えるのも有効です。

行動指針は、職場における「在り方」と「やり方」を具体的に伝えるためのシンプルなルールとして活用できます。
たとえば、「時間を守る」「嘘をつかない」といった簡単なルールを設定することで、職場全体の統一感が生まれ、スタッフが目指すべき行動基準が明確になります。

まとめ

面談はスタッフが自己を見つめ直し、職場への意欲を高めるための貴重な機会です。
感謝や褒める文化を取り入れ、スタッフ一人ひとりに寄り添った面談を行うことで、クリニック全体の生産性と雰囲気を向上させることができます。

面談を通じて、未来への期待感を共に共有し、クリニックをより魅力的な職場へと変えていきましょう。
ぜひこの機会に、スタッフとの対話を大切にする文化を育ててみてください。

著者:IGYOULAB編集部・森田

2児の母であり、転勤族で多くのクリニックや歯科医院を受診してきた経験を活かして、患者さん目線での意見や記事を提供できたらと思います。

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